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2006年02月04日

(株)ニコンより、フィルムカメラ製品ご愛用の皆様へ (その1)

<管理人より>

これからの「写真文化振興の担い手」について、2週間前に私がこのブログへ書き記した問いかけに応じるかのような声明を、業界の一員である(株)ニコンが昨日2月3日に発表しました。全文をここにご紹介いたします。

(株)ニコンより、フィルムカメラ製品ご愛用の皆様へ

 (株)ニコン:2006年2月3日付ニュース
  フィルムカメラ製品ご愛用の皆様へ

平素よりニコン製品をご愛用いただきまして、誠にありがとうございます。
先般、1月11日、弊社は「フィルムカメラ製品のラインアップ見直しについて」お知らせ致しました。この件につきましては主に日本国内で大きく報道され、多数のお客様から様々なご意見、お問い合わせをいただいております。
フィルムカメラから撤退するのかというお問い合わせも少なからずいただいておりますが、1月11日にご案内申し上げました通りF6とFM10、そしてそれを支えるニッコールレンズ群40本以上、アクセサリー群については今後とも生産を継続し、フィルムカメラへの強い需要、皆様からのご支援がある限り、基本的に本事業を継続していくことを改めてお知らせ申し上げます。引き続きフィルムカメラへのご愛顧、お引き立ての程宜しくお願い申し上げます。
時代の流れに合わせデジタルカメラに経営資源を重点的に投入し今後の新しい写真文化向上に貢献していくことはもちろんですが、弊社はニコンカメラのルーツであり、独特の豊かな表現力、質感、奥深さを持つフィルム写真をこれからも大切にしてまいります。そして業界のリーディングカンパニーとして映像文化を支えて来た誇りを持ち続け、様々な写真展支援やフォトコンテストへの協賛といった活動を通して、写真文化全般の振興にも引き続き注力してまいります。
今後ともニコンを宜しくご支援いただきますとともに、ニコン製品を引き続き末長くご愛顧賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

先に富士写真フイルム(株)が1月19日付で発表した声明の中で、「人間の喜びも悲しみも愛も感動も全てを表現する写真は、人間にとって無くてはならないものであり、長年のお客様のご愛顧にお応えするためにも、写真文化を守り育てることが弊社の使命であると考えております。〔中略〕更なる写真文化の発展を目指すとともに、写真をご愛顧いただけるお客様、ご販売店様の支援を今後とも続けてまいる所存です」と表明したことに続き、(株)ニコンも上記声明の中で「デジタルカメラに経営資源を重点的に投入し今後の新しい写真文化向上に貢献していくことはもちろんですが、〔中略〕業界のリーディングカンパニーとして映像文化を支えて来た誇りを持ち続け、様々な写真展支援やフォトコンテストへの協賛といった活動を通して、写真文化全般の振興にも引き続き注力してまいります」と表明しています。

声明の要旨は両社とも銀塩写真やフィルムカメラの関連事業継続を伝えるものですが、その中で「写真文化の発展」や「写真文化全般の振興」という言葉を用い、それぞれ写真文化への貢献を誓っている点が印象的です。このことはただ単に、既存事業の継続がすなわち写真文化の振興を意味する、ということではなく、また決してデジタルフォト事業ではそれが実現できない、ということでもないのでしょう。改めて考えてみるとやはり、新たに写真産業界へ進出してきた家電産業界やIT産業界に属する各企業へのけん制、自社のこれまでの実績に基づく優位性の主張とも受け取ることができるように思います。

デジタル製品はインターネットと融和し、人、物、組織間の双方向通信を世界中に広めつつあります。たいへん便利なことだとは思いますが、それでも企業が文化に貢献しようとするなら、顧客と直接、かつくり返しコミュニケーションをとる機会を自ら創り出す能力が問われることになるでしょう。そうした課題への各社の取組みに、今後も注目したいと思います。

項目: 写真・カメラ

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