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2006年02月26日

「PMA 2006」開幕 ペンタックスも1000万画素デジタル一眼レフカメラを発表!

ペンタックスの公約

2月26日(現地時間)から4日間にわたり、いよいよ米国最大のカメラショー「PMA 2006」が開催されます。

 ペンタックス(株):2006年2月26日付プレスリリース
  「 PMA 2006 」 デジタル一眼レフカメラ関連製品の参考出品について

 「デジカメWatch」:2006年2月24日付記事
  ペンタックス、PMA 2006に
  1,000万画素デジタル一眼レフカメラなど参考出品

 「デジカメWatch」:2006年2月26日付記事
  【PMA 2006】全米最大のカメラショー「PMA 2006」明日開幕

昨年度の開催に際し、ペンタックス(株)(以降、ペンタックス)上級執行役員イメージングシステム事業本部長の鳥越興さんが日本のITニュースサービス会社、(株)Impress Watchからのインタビューに将来構想を熱く語っておられましたが、その姿がいよいよ見えてきました(2006年2月6日付記事参照)。

我々のデジタル一眼レフカメラビジネスは昨年からスタートし、おおよそ3年計画で製品ラインを充実させていきたいと思ってきました。
〔中略〕Limtedレンズのような商品は、我々のような小規模なメーカーにしか出来ないと思っています。〔中略〕これは我々の会社だからこそ、という特長だと捉えていますから、今後も拡充させていきます。

 (「デジカメWatch」2005年2月25日付記事より抜粋)

ペンタックスの現行デジタル一眼レフ製品は現在、中級機*istDS2と入門機*istDL2の2機種があります。両機種とも量販店での税込価格はポイント還元などのサービスも含めると、実質5、6万円前後と超破格値です。2003年秋に初代*istDが発売された当時の約3分の1程度の値段ですから、これでは売上げも上がらないのではないかと、ユーザーの方が心配になってしまいます。
しかし、上位機種を今年の秋頃発表するようなことをペンタックスもほのめかしていたので私も半信半疑ながら期待はしていたのですが、何と先日、同社は発表を“発売”に前倒しすることを正式に表明しました。機能の詳細は未定としながらも、ニコン(株)(以降、ニコン)の人気機種D200と同様、画素数1000万としています。
「Limtedレンズ」を含む交換レンズ開発ロードマップも公開し、また大型イメージセンサーを搭載したプロ用デジタル一眼レフの開発も進んでいることを発表するなど、「3年計画で製品ラインを充実させていきたい」と鳥越上級執行役員が語られていた構想が、一歩一歩実現に向かっている様子がうかがえます。
「PMA 2006」会場では、これらの試作品やモックアップも参考出品されるとのことです。

2001年の秋、最初のデジタル一眼レフ試作機の開発中止に落胆させられて以来、ペンタックスの関係者がマスコミなどへ語る構想にはどうも不安を抱かずにはいられなかった私ですが、振り返ってみると、その後同社がプロジェクトを頓挫させたことはほとんどないことに今頃気が付きました。時間はかかっても描いた構想は地道にコツコツと実現させる。同社は公約の守れる企業を志しているかのようです。

早くも発表! ペンタックスの1000万画素デジタル一眼レフ

さて、表題の1000万画素デジタル一眼レフですが、モックアップの写真を見る限り、*istDの正常発展型としてほぼ同じくらいのコンパクトボディで登場するようです。内部機構のスペースからニコンD200のようなパワフルな動作を期待するのは無理があると思いますが、携帯性はとても良さそうです。これなら値段も、*istDS2とそう極端な開きはないのではないでしょうか。D200とはまた違う面で画期的な新製品に思えます。これでバッテリーが汎用品なら言うことなしです。
実は、D200の2台目を予備用として買うべきかどうか、ずっと迷っていました。ペンタックスが1000万画素デジタル一眼レフを出すにしても1年以上先で、*istDより大型化し、値段も20万円近くなるかもしれないと考えたからです。それなら動作の速さでは折紙つきのD200で統一した方が良く、私はむしろ2、3年後には実現するであろう1000万画素級小型モデルに期待していたのです。
ところが、ふたが開けば見ての通り、初めからコンパクトボディ。発売は半年後、値段も予想の半分近いとなればもう迷いはありません。1000万画素のクオリティがますます身近なものになるのです。こんな嬉しい話はありません。

ただ、少しさびしい思いもあります。それは、これほど魅力あふれる新しい交換レンズ群がもう、私の地元埼玉県小川町産ではないのだということ。これからは海を越えたベトナムの新工場を中心に、それらは世界各地へと出荷されていくことになるのでしょう。光学ガラスなど部材の調達、加工はまだまだ国内を中心に行われるようですが、それも栃木県益子町の工場に限られるようです(2006年2月3日付記事参照)。

中国、東南アジアで進められる市場開拓

ペンタックスでは現在、デジタル一眼レフ本体はフィリピン工場、交換レンズはベトナム工場が主力になりつつあります。もう30年以上前から同社関係者は、将来需要増の見込める市場は中国や東南アジア諸国にあると専門誌のインタビューなどに答えてきましたが、そのシナリオを着実に実行しようというのでしょうか。
同社のデジタル一眼レフシステムの特徴は、小型軽量、低価格、そして造りやすく流通させやすい、という点にあります。流通させやすいというのは、バッテリーが汎用品なので、専用品の供給が要らないということ。造りやすいというのも部品点数や材料の削減、カメラのシャーシーをアルミダイキャスト整形からステンレスプレス整形へ変更するなど加工設備の簡素化を追及しているということです。特にレンズ側へは、特注のモーターなど一切採用しない徹底ぶりです。また、同社製の30年前の古い交換レンズもそのまま装着できるので、ユーザーは本体と安い中古レンズをそろえるだけで撮影を楽しむこともできるのです。このことは企業にとってあまり利益を生まないばかりか、裏を返せば機能の削減にも通じ日本国内ではどうも人気薄なのですが、一眼レフ未体験の顧客が多く開拓できる国々への供給を、同社は優先したい考えなのだと思います。国内工場は益子、小川とも新会社、ペンタックスオプトテック(株)として1つに再編され、今後は医療関係や光学部品の特殊精密加工など新しい分野の開拓に取り組む方針のようです。
ニコンもD200をはじめ、デジタル一眼レフ本体や交換レンズの一部をタイの工場で生産していますが、国内工場も今なお主力です。
キヤノン(株)は近年、反対に国内工場の増強に力を入れているようですが、市場戦略として写真人口を重視するより、デジタルビデオカメラなども含めたカメラ全体のあらゆる潜在的需要を、国内での技術開発力の向上によりいち早く開拓しようとしているためではないかと想像します。
今、デジタル一眼レフは買いやすくなってきたことから一種のブームになっていますが、おそらくこれは一過性のもので、国内市場が飽和するのは時間の問題だろうと私は予想しています。その後の展開はどうするのか、各メーカーともすでに舵取りを決めていることでしょうね。
「退くも勇気」。そう判断したメーカーもありましたが…。

項目: 写真・カメラ

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コメント

トラバ、ありがとうございました。(^^)/
ヒロキさんの嬉しいペンタックス情報に、感謝
です。(^^)

投稿者 soro^^ ~ : 2006年02月27日 10:35

> ヒロキさんの嬉しいペンタックス情報に、感謝です。(^^)

soroさん、こんばんは。
「嬉しいペンタックス情報」に、さらに嬉しい追加情報ですよ。
新型1000万画素デジタル一眼レフは、ただ*istDの画素数を増やした
だけでは、どうもなさそうです。
ペンタックス上級執行役員の鳥越さんが、今年の「PMA」ショーでも
Impress Watchのインタビューに応じ、早速新製品の概要について
熱い思いを語ってくださいました。

「デジカメWatch」:2006年2月27日付記事
【インタビュー】デジタル一眼に必要な要素のすべてに取り組む
ペンタックス上級執行役員イメージングシステム事業本部長 鳥越興氏
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2006/02/27/3308.html

上記インタビューから、鳥越さんのキーワードを要約してみました。

1.今回公開した中級機は、*istシリーズよりも上位の機種。
2.使いやすく軽量・コンパクト。
3.従来のエントリー機にはなかったシャッタースピード、連写速度。
4.防振(手ブレ補正)機能、高感度撮影など必要な要素は全部取り組む。
5.イメージセンサーは外販している限られた企業の製品(D200と同じ?)
6.機能や性能、コンセプトといった面では、インパクトの強い製品。
7.ペンタックスが培ってきたノウハウを活かした絵作り。
8.ペンタックスならではのユニークなレンズを多数用意。
9.現在、開発陣に指示しているのはKマウントの進化です。

「*istシリーズよりも上位の機種」というのも気になりますが、もっと
気になるのは4の「手ブレ補正機能」と9の「Kマウントの進化」です。
新型機のイメージセンサー側に手ブレ補正が内蔵されるのか、
それともレンズマウントに新接点が追加され、手ブレ補正を内臓した
新しいレンズシリーズが登場し、それに対応することになるのか。
想像(または妄想)するだけでワクワクしてきます。

なお、ペンタックスは昨年秋に韓国のサムスンテックウィンとの提携
を発表しましたが、今度の新型はペンタックスの板橋本社で開発が
進められてきた製品のようです。サムスングループとの共同開発は
将来の課題で、当面は部材の共同調達が主な目的のようです。
最近、交換レンズメーカーのトキナーとも光学設計の共通化が見られ
ますが、それに近い関係かもしれないですね。

それにしても、あと3か月早くこうした情報が分かっていたら、多分
私はD200やそれらの交換レンズは買わなかったと思います(苦笑)。
以前D1シリーズを買いそろえたのも、ペンタックスが最初の試作機の
製品化を見送ったことがきっかけでした。
でもそのおかげで私は、何かとっつきにくいと敬遠していたニコンにも、
最近ようやく親しみを感じられるようになってきた気がします。
結果的にいちばん良い方向へ私は導かれているのかもしれません。
そしてその次は…何でしょう。

やっぱり、キヤノン???

投稿者 ヒロキ : 2006年02月27日 22:16

「デジカメWatch」:2006年2月27日付記事
【PMA 2006】ペンタックス、1,000万画素一眼レフや
中判デジタルなどを参考出品
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2006/02/27/3306.html

新型1000万画素デジタル一眼レフについて、上記記事に掲載のモックアップ背面の写真をあらためて眺めたのですが、どうも対応メディアがSDメモリーカードになる模様です(↓)。
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/parts/image_for_link/44602-3306-3-2.html

これにはちょっとガッカリ…。確かに将来性はあるメディアなのかもしれませんが、現状はようやく4Gクラスが登場しようかというところ。しかも値段はまだまだ高く、マイクロドライブなら2GのSDカード1枚の値段で6Gのモデルが買えてしまいます。
メディアの買い増し費用も計算に入れると、また機能面から見ても、人によってはD200の方がお買い得感は高くなるかもしれないですね。

投稿者 ヒロキ : 2006年03月07日 22:40

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