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2007年10月17日

今ごろ、何で? 写真屋店長の独り言

デジタル一眼レフを売る!?

早いものでもう、すっかり秋ですね。

写真産業が斜陽化し、いわゆる町の写真屋さんというものが次々廃業していく中、よりによってその“店長”という職に就いて3ヶ月が経とうとしています。
写真館の支店の雇われ店長ではありますが、フリー時代の出張撮影も続けながらの勤務なので、何かと結構多忙です。

さいたま市内で先週、県内のカメラ商関係団体が主催するニコンデジタル一眼レフの商品説明会が開かれ、「本気で売りたい!」と話す私の何十倍も多忙な社長に代わり、さてどのようなものかと行ってきました。
ニコンの営業の方が、自社製品のセールスポイントを他社ライバル製品と比べながら価格帯別に説明してくださったのですが、出席者の関心は「それらをいかに売るか」ということより、間もなく発売されるであろうD3やD300を「買うべきかどうか」ということに多く寄せられていたようです。もちろん、店主が自分で買って使った上でお客さんに勧めてもらえればニコンとしてもありがたいのでしょうけれど。

郊外へ続々進出する家電量販店に対抗し、デジカメやデジタル一眼レフを売ってやろうという個人経営規模の写真屋さんは至って稀です。廊下のロビーで開催を待っていたとき、「デジカメ売ったらお客さんはみんなプリントを注文しに来なくなってしまったじゃないか。メーカーは我々の業界をメチャクチャにしておいて何を考えているんだ。この流れをどこかで止めないと」と嘆く高齢の店主を、「今はね、待ってるだけじゃ駄目なんですよ。これからは店を留守にしてでもお客さんから撮影の注文をとるような、そういうお店が伸びるんですよ」と諭す年配の店主の声が聞こえてきました。

私の勤務する店では今年のはじめ、ペンタックスK10Dを買ってくださったお客さんがいました。その方は根っからのペンタックスファンで、私と同じようにフィルム一眼レフのLXやZ-1も愛用しています。私が店先に立つようになってからは、さらに交換レンズや用品類も購入してくださいました。もちろん、デジカメプリントの注文でもよく見えられます。店では以前からプリント調整のノウハウや現場をオープンにしているので、仕上げにこだわるお客さんに喜んでいただいています。
14日の日曜日は、そのお客さんの地元の神社に伝わるささら獅子舞の獅子頭の修繕記念式典が行われ、記念写真やスナップの出張撮影もさせていただきました。何十年かに一度という、貴重な体験でした。式典に参列するお客さんが手にするカメラはK10D。私のカメラもK10D。デジタル一眼レフで結ばれたご縁です。

さて、話を元にもどしますが、ニコンの営業の方の説明で印象に残るコメントがありました。D80に対する他社ライバル製品との比較で話題がペンタックスK10Dに及んだときのことですが、その弱点というのが「品数が少なくて伸びなかったんです」のひとこと。そして、「私が言うのもおかしいのですが、品数が少なくて本当に良かったです。K10Dはたいへんバランスのとれた、非常に良くできたカメラです」と、賞賛を惜しまなかったのです。こうした良いものは良いと率直に評価する姿勢には清々しさを感じました。
思い起こせば去年のちょうどこの時期、私はD200にD80を追加してペンタックスのシステムは整理すべきか、それともまだ完全には揃えていないニコンのシステムを手放しK10Dの2台体制にすべきか、究極の選択を迫られていたのです。会場の各席にはD80のデモ機が配られていたのですが、それを手にしながら私は、「これが自分のカメラになっていた可能性もあったんだなぁ」と複雑な気持ちになってしまいました。

2007年下半期のデジタル一眼レフ新製品発表は、キヤノンを皮切りにニコン、ソニー、パナソニックと続き、今日、17日はオリンパスからフラッグシップ機のE-3が発表されました。残るはペンタックスとささやかれているようですが、果てさて真相やいかに。気になるところです。

項目: 写真・カメラ | コメント (0) | トラックバック (0)

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