メイン
« 2007年10月 | 2007年12月 »

« 2006年02月以前 メイン | 2006年03月以降 メイン »

2007年11月13日

運動会向きファミリーカメラの完全デジタル化完了!

いつの間に???

銀杏の葉が少しずつ黄色に染まり、運動会シーズンもそろそろ過ぎようとしています。
今シーズンも私の店ではたくさんのお客さまから現像、プリントのご注文をいただくことができました。
また私自身も、学校アルバムや広報用の撮影依頼で何校かの運動会を訪問させていただきました。
その際改めて感じたのは、デジタルカメラがこれほど普及した今でも、フイルムカメラを大事に使われている方がまだまだ少なくないようだということです。

ところが最近、国内カメラメーカー各社のサイトを調べたところ、本格的に望遠撮影できるファミリー向け全自動フィルムカメラの販売は、どこも完全に終了していることが分かりました。
ほんの2年ほど前まで、そのようなフィルムカメラは一眼レフでもコンパクト機でも、複数のメーカーから豊富に販売されていたのです。
ある程度予測していた結末ですが、正直言って時代の変化のあまりの早さに、少しばかりショックを受けました。

私の店ではこのところ、使い古して調子の悪くなったフィルムカメラを持ち込まれるお客さまが増えていますが、もし修理不能で買い替えになった場合、もうデジタルカメラしかお取り寄せできないことを説明しなければなりません。
運動会で誰もが子供を大きく写せるフィルムカメラは、もはや過去のものになってしまったのです。

フィルムカメラと市場を分け合っていた頃、デジタルカメラの市場を支えていたのは、主にパソコンやプリンターが使いこなせるお客さまでした。
パソコンですぐ画像が見られ、それをその場でプリントできるし、誰かにネットで送ることもできる。そうした利点がデジタルカメラを選ぶ方の大きな動機付けになっていたのだと思います。
しかしこれからは、パソコンが苦手な方やパソコンに向かう時間の取れない方でも、否応無くデジタルカメラを選ばざるを得ません。

お店プリントの出番! 店頭端末機の改善は?

そこで、お店プリントの出番です。インクジェット印刷の画質や耐久性が良くなったとはいえ、プリント処理能力の高さではカラー印画紙による銀塩写真の方が益々レベルを引き離しつつあります。
にもかかわらず、とても残念に思うのは、プリントの注文を受けるための店頭端末機に、あまり使いやすい製品が見当たらないということです。店頭で導入しやすいよう、メーカー側が開発時にコスト削減を最優先してしまったことが裏目に出たようです。
今年に入り、ファミリーユーザー向けのカメラでも画素数は1200万画素に達し、メモリカードの容量も次第に増えて2GB以上が普通になってきました。そうした中、現行の端末機は早くも時代遅れになり、どの店も苛立ちを押さえきれなくなっているのが現状です。

先月、都内の富士フイルム本社で店頭ミニラボシステムの新製品内覧会があり、私も店長として担当営業の方から招待を受けました。その会場では、試作中の次世代店頭端末機に触れる機会も得られました。
本社内の開発の現場を良く知る担当の方ともお話しさせていただいたのですが、私が改善して欲しいと思っていたことはほとんどすべて、新製品の検討事項の中に盛り込まれていました。例えば、大容量メモリカードの膨大な画像ファイルの中から特定の撮影年月日のものだけを抽出したり、画像をフォルダ別にスライドショーで大きく表示したり、選択画像から複数のサイズを自在に注文したりできる機能などです(そのような基本的なことさえ、現行製品ではできないのです)。
ただ、どのようなナビゲーションにするか、画面のデザインも含め社内でも色々と意見が分かれ、新機能の搭載は段階的に行われていくことになりそうです。発売は年明け頃が目標とのことでしたが、パソコンへの負荷も増しコスト高になるため、現行製品も廉価版として並行販売していくとのことでした。

カメラユーザーの期待に応えるために

ところで、デジカメプリントはどの店に出しても仕上がりは似たり寄ったり、と思っていらっしゃる方も少なくないかもしれません。これは、店頭ミニラボシステムのメーカーがブランドイメージを大切にするするあまり、プリント品質を自動調整により全世界一律に保てる設計を重視してきたことによります。チェーン店などには好都合ですが、別の見方をすれば店ごとにプリント品質やサービスを競おうとしても、機能上それがしにくい設計になっていたのです。
富士フイルムの本社で見た新システムはオプションのソフトも含め、そうしたチェーン店や系列店にありがちな横並び意識を根本から排した、クリエイター向きのシステムに生まれ変わっていました(同社サイトのニュースリリース)。「難しい。とても使いこなせない」と漏らす店主の声も聞こえてきましたが、出張撮影からRAW現像、レタッチ、プリント制作・販売まで一貫して手がける私にとって、これこそが本物の店頭ミニラボシステムだという印象を抱きました。むしろ、今までこのレベルのものが無かったこと自体、不思議なくらいです。

私の店へはいつ導入できるか、となると、店内のレイアウトも見直さなければならず、予算の問題も含めそれらの見通しを立てる方が先です。まず、おおよその費用については資料とともに社長へも報告しました。
カメラのデジタル化のせいで写真屋にはお客が来なくなった、と嘆く人も相変わらず多いようですが、私は逆に店舗数はまだまだ少ないと思っています。ちょっと写真をプリントしようと思ったとき、用紙やインクを置く店より写真屋さんの方が遠ければ、大抵の人は面倒でも自宅プリントを選ぶでしょう。
店頭ラボは置かないまでも、せめてプリントの受け渡しができる店舗はもっと増えた方が良いと私は考えます。

項目: 写真・カメラ | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年02月以前 メイン | 2006年03月以降 メイン »

« 2007年10月 | 2007年12月 »
メイン | 上へ↑