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2007年04月10日
ペンタックスの社長が若返り
ペンタックスは4月10日付で「代表取締役並びに役員の異動」を正式発表しました。今回の異動で、7年間の長期にわたりペンタックスの経営を指揮してきた浦野文男社長(63)が取締役へ退き、新社長には取締役で最年少の綿貫宜司取締役上級執行役員(54)が就任しました。
また、同日の臨時取締役会で新経営陣は、社内外の諸事情から10月に予定していたHOYAとの合併断念を決議し、その旨が同社首脳陣へ文書で伝えられたことも報じられました。
ペンタックス新経営陣の各報道機関への説明によれば、合併は浦野前社長が水面下で独善的に進めたことであり、それゆえ取締役会での合併断念は正当なもので、混乱の責任は浦野前社長及び森勝雄前専務(取締役に降格)が負うことで事態を収束させるとのことです。しかしながら、HOYAとの「広い意味での経営統合については、今後とも検討を進める」との決議も“しっかりと”しています。実にペンタックスらしいですね。
HOYAも同日に臨時取締役会を開き、ペンタックスの意向を聞いたうえでの経営統合の検討継続を確認したようです。
両社の経営統合に関する2006年12月21日付基本契約から、もうすでに4ヶ月近くが経とうとしています。言わば「乗りかかった船」でしょうか。結果的にHOYAの首脳陣は、企業規模のずっと小さいペンタックス側が用意した土俵に、自ら臨まざるを得ない状況に立たされたと見ることもできそうです。
覚えておかなければいけないことがあります。ペンタックスは昔から、ハネウェル、カール・ツァイス、フィリップスなどの世界的な巨大企業を相手に、新製品開発に欠かせない重要なノウハウを自社のペースで吸収してきた経験の持ち主だということです。
HOYA首脳陣は今のところ、ペンタックスのデジタル一眼レフ事業に一定の理解は示しながらも、それほど強い関心は抱いていないそぶりを見せています。ですが、光学部材のメーカーがお得意先である購入者の事業内容を十分把握していないことなど考えられません。工場の操業計画や原材料の仕入れ計画などに直接影響することですから。
今、ペンタックスは交換レンズの増産に追われ、私が予約した「近日発売予定」の新製品は、2ヶ月近く経った今なお「近日発売予定」のままです。きっと予約が多過ぎて、全世界へ同時出荷できるだけの在庫がまだ準備できないのでしょう。HOYAにとっても稼ぎ時のはずですが、では一体どのような形での協力ができ得るか?
同社首脳陣は近く、何らかの回答を用意することになると思われます。いずれにせよ、お互いにとってなくてはならないビジネスパートナーだということは、両社ともよくよく承知していることなのでしょうね。
項目: 写真・カメラ
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