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2006年10月16日

「小川町万葉灯籠(とうろう)まつり」が開催されました

『万葉集』の研究者、仙覚律師ゆかりの地で

10月14日(土)、15日(日)の夕方から駅前通りや北裏通りにを中心に、「小川町万葉灯籠まつり」が初の試みとして、住民の手作りにより開催されました。主催は小川はつらつ商店会の皆さんです。小川町は、鎌倉時代に学問僧の仙覚律師が万葉集の研究書『万葉集註釈』をまとめた地と伝えられています。

△灯籠に照らされた北裏通り(左)と、
  特産の小川和紙でつくられた万葉の衣装を着飾った子供たち(右)。
  ※クリックで大きな画像が開きます。

 *撮影データ*
 埼玉県比企郡小川町小川及び大塚にて
 2006年10月15日撮影
 Camera:PENTAX K100D
 Lens:SMC PENTAX-FA☆ 24㎜F2 AL[IF](左)
     SMC PENTAX-DA 14mmF2.8ED[IF](右)

“武蔵の小京都”として親しまれている小川町。東武東上線小川町駅前通りを中心に14、15日の2日間、「小川町万葉灯籠(とうろう)まつり」(同まつり実行委員会主催)が行われる。地域住民による手作りのまつりで、同実行委では「町の活性化につながるまつりになってほしい」としている。
鎌倉時代に鎌倉で天台宗の僧、仙覚(せんがく、1203~1272)がまとめた「万葉集註釈」は、今でも万葉集研究の基本書として評価は高い。全十巻の一部は、小川町で書かれたとみられている。
〔中略〕
町を元気にしようと町と住民で組織する小川町プロジェクトが昨年、駅前通りなどに代表的な歌と解説を記した万葉モニュメント70個を設置した。
〔中略〕
点灯時間は午後5時から9時。万葉の衣装を身に着けたパレード、撮影会もある。14日は夕市が、15日は万葉集朗唱が行われる。
同事務局長の八木忠太郎さんは「万葉の衣装の素材はもちろん小川和紙で手作り。歌碑も楽しみながら会場を回ってほしい」と話している。

 「埼玉新聞」:2006年10月13日付記事より抜粋
  14、15日の夜に万葉灯籠まつり 小川
  「武蔵の小京都」にいにしえの火歌碑で町おこし
  ↑記事は10月19日(木)までネット公開されます。

まつりの事務局長を務められた八木忠太郎さんは、日本五大名飯「忠七めし」で知られる割烹旅館二葉の14代館主です。

 割烹旅館 二葉:新着情報
  小川町万葉灯籠まつり開催のお知らせ

各協賛者の公式サイトをご紹介します。

 小川町商工会仙覚万葉の会ひき21

今回の催しは住民を中心としたいくつかのグループが、それぞれの研究や活動の成果を持ち寄り、初めて実現したのだそうです。特産の小川和紙で作られた万葉の衣装にも灯籠の明かりにも、たくさんの人たちの協力があったことでしょう。一番心配されるのが費用のことですが、スポンサーが集まるまで、商店会を中心に関係者の方々のご努力は大変なものだったろうと思います。ただ企画書を書いて示すだけなら誰でもできることかもしれませんが、小さな試みや実践の積み重ねと周到な準備とが整わなければ、これだけの協賛を得ることはできないのではないでしょうか。
この「小川町万葉灯籠まつり」をきっかけに、『万葉集』や仙覚律師に関心を持つ人たちも、きっと増えてくることでしょう。いつかは協賛の輪が広がり、夜の灯籠だけでなく、明るい里山の中でもこうした催しが開けるようになれば、仙覚律師がどのような思いでここ小川を『万葉集』研究の地に選んだのかも偲ばれ、まつりの意味もより深いものになるのではないかと感じました。

町の人口はここ数年減少傾向ですが、幸い新興住宅地の分譲や企業誘致の可能性もあり、車や電車など交通の便も次第に良くなってきました。歴史ある小川町に魅力を感じてくれる人が増えてくれれば、私も嬉しく思います。

項目: 町づくり・町おこし , 祭り・伝統行事 | コメント (2) | トラックバック (1)

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