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2006年11月07日

ペンタックスK10D&アドビ「Photoshop Lightroom」への期待 (2)

K10Dと「Photoshop Lightroom」との
橋渡しになりそうなDNGとXMP

ペンタックス純正画像管理ソフト「PENTAX PHOTO Browser 3(Ver.3.00)」には、「ペンタックスRAWファイル(PEF)をAdobe Systems社提唱のDNG(Digital Negative)形式のRAWフォーマットへ変換」(ペンタックス公式サイト関連ページより)する機能があります。今のところ変換後のDNGファイルを同ソフトで閲覧、印刷などすることはできませんが、K10DのDNG形式でのRAWモード撮影対応に合わせ、Ver.3.10からはいよいよ可能になるようです。

同時にペンタックス純正RAW現像ソフト「PENTAX PHOTO Laboratory 3」も、Ver.3.00から3.10へアップデートし、K10Dで撮影したDNGファイルと「PENTAX Photo Browser 3」で変換したDNGファイルであればJPEGやTIFF(8bit、16bit)などの画像ファイルへ変換できるようになります。これは、DNGがExif Print(イグジフプリント、規格名称Exif 2.2)準拠の撮影情報に加え、カメラメーカー独自の撮影情報(各種撮影モードや画像仕上のパラメーターなど)も仕様の範囲内で埋め込めるようになっていることから、実現できたものです。
なお誤用防止のためか、他社のソフトで変換したり埋め込み情報を編集し再保存するなどしたDNGファイル、他社のデジタルカメラで撮影されたDNGファイルに関しては、ペンタックスのソフトでは予め開けないようになっています。

さて、ペンタックスがDNGのサポートを本格的に始めることで、新たな期待が沸いてきました。それは、撮影時にカメラで設定した彩度やコントラストなど画像仕上のパラメーターを、アドビ「Photoshop Lightroom」での閲覧や印刷、RAW現像時の色調補正へもある程度正確に反映できるようになるのではないか、ということです。そのための情報も、DNGファイルには「XMP(Extensible Metadata Platform)」という仕様に基づき、埋め込むことができるからです。
XMPは様々なファイルに対し、パソコン内やネット上での検索、利用、整理などに役立つ情報をそれらとリンクするサイドカーファイルとして書き出すかメタデータとして埋め込む際の仕様で、アドビがオープンソース・ライセンスで提供しているものです。そのため、他社も製品に応用することができます。ペンタックスがデジタルカメラやソフトウェアに採用すれば、同様にXMPを採用したあゆるソフトで、撮影意図を損ねることなくRAWファイルが扱えるようになるはずです。

 アドビ システムズ:製品
  デジタルカメラRAWファイルのアーカイブ形式、DNG(Digital Negative)

 アドビ システムズ:ソリューション
  アドビの法人向けソリューション:XMP

 「PC Watch」:山田祥平のReconfig.sys 2004年7月16日付記事
  メタデータとAdobeの思惑

「Photoshop Lightroom日本語版パブリックベータ 4」は、同ソフトで開いたファイルの画像仕上や色調補正に関するパラメーターをXMPサイドカーファイルとして書き出し利用することはできますが、それ以外のXMP仕様に基づくサイドカーファイルや埋め込み情報には、まだ完全に対応していません。今後製品化に向けて、自社製品を含め他のソフトとの互換性も高められることが期待されます。

項目: 写真・カメラ

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