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2007年02月24日

イーグルバスが小川町へも進出 (その3)

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イーグルバスが取り組む不採算路線の黒字化(日高市内の事例)

3月1日より小川町駅~皆谷(かいや)~白石車庫の路線バスが、川越観光バスからイーグルバスへ移管されます。他社が運行するこのような不採算路線をイーグルバスが引継ぐのは、今回が初めてではありません。同社は昨年4月にも日高市内の赤字路線を西武バスから引継ぎ、黒字化を目指してより利用者のニーズに応じた運行ダイヤ作りに取り組んできたそうです。その要となるものが、GPSと乗客感知センサーとを組み合わせ埼玉大学と共同開発した、停留所ごとの乗客数が正確に把握できるシステム。得られたデータに基づく新ダイヤは、日高市内で4月1日から導入されるとのことです。

 イーグルバス(株)新聞/雑誌 掲載記事
 →「ダイヤ効率化へ 日高で実証実験」埼玉新聞(2006年4月6日付)

 「読売新聞」:2007年2月23日付記事より引用
 ↓イーグルバス 赤字解消へ新ダイヤ
   ニーズ把握で改善 乗客25%増目標

大手バス会社の撤退が続いた日高市内の赤字路線を昨年4月に引き継いだイーグルバス(本社・川越市、谷島賢社長)が、赤字解消を目指した新ダイヤを4月1日から導入する。 同社が埼玉大と共同開発した、全地球測位システム(GPS)と乗客感知センサーを組み合わせたシステムを駆使し、1年間かけて研究した「採算が取れるダイヤ」で、多くのバス事業者が赤字路線に悩む中、新ダイヤが、赤字解消の切り札となるかが注目される。
同社は、川越市を本拠地に、福祉送迎バスや市内観光スポットを回る巡回バスを運行する従業員150人余りの中小企業。
日高市内の住宅団地とJR八高線「高麗川駅」、川越線「武蔵高萩駅」、西武池袋線「飯能駅」をつなぐ2路線は、かつて国際興業(東京都中央区)が運行していたが、1995年に撤退。その後、参入した西武バス(所沢市)も採算が取れずに昨年3月に撤退し、同4月からイーグルバスが路線、ダイヤをほぼそのまま引き継いでいる。
路線バス事業への新規参入が可能になった2002年以降、県内で大手撤退後の赤字路線を引き継いだのはイーグルバスだけだ。谷島社長は「(管理人注:路線バス事業撤退の)規制緩和が生活の足を奪った。人口5万人を超す市がバス空白地帯となるのはおかしい」と参入の動機を話す。
同社は、「システム」を運行する4台のバスすべてに搭載し停留所ごとの乗客数を正確に把握。市内約5000世帯へのアンケートも行いニーズを探った。
その結果、鉄道との接続が極端に悪いダイヤ設定が多く、乗客がほとんどいない時間帯もあることなど約30の改善点が見つかった。
新ダイヤでは〈1〉鉄道との接続に配慮〈2〉利用客が見込める時間帯の運行に重点を置く〈3〉最終バスを30分から2時間遅らせる――などの工夫で新たな利用者を発掘し、現在1日約800人の乗客を1000人に増やし、年間約2000~3000万円にのぼる赤字解消を目指す。
谷島社長は「不採算路線は、全国全路線の40%と言われる。日高路線を成功させ、全国のモデルケースとしたい」と意欲的だ。

東秩父村方面の減便は避けられるか?

日高市内の事例では路線バスが住宅団地内を経由するため、ダイヤの工夫次第で乗客を増やす余地がいくらかはありそうに思えます。しかし小川町駅~皆谷・白石車庫線が経由する東秩父村は人口3,795人(2005年現在)と、過疎化が特に進んでいる地域です。行楽シーズンのハイキング利用者などを別にすれば、掘り起こせる乗客の数は自ずと限られてしまいそうです。日高市での取り組み方がそのまま応用できるか、疑問が残るところです。
東秩父村内を基点に考えた場合、利用者が小川町方面へ出かける時間帯は日中分散していても、帰りは夕方のバスに集中するということも十分想像できます。この場合、乗車率の低さから日中の便が減らされるとマイカーを選ぶ利用者が増え、結局夕方の帰りのバス利用者まで減ってしまうという悪循環に陥る心配が生まれます。単純に乗客数を把握するだけでなく、その行動まできめ細かく分析し、本当に暮らしの役に立つバス事業を展開してもらえたらと思います。

項目: 町づくり・町おこし , 行政・議会

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コメント

イーグルバスになるとバス共通カードが使えなくなるようですね。そうなると割引が無くなって、どうなるんだろう?という気がします。
いや、路線を残してくれてありがとうとも言いたいですが。

岩手なんて県全体が過疎化で次々と公共交通が足切りされているのに、
埼玉のような都市近郊でも維持できない状況にあるとは、
そうとう厳しい現状だなーと思います。

交通弱者の問題ばかりでなく、環境問題の観点からも
公共交通は見直される時代が来ていると思うのですが、
実情はむしろ逆の方向に向かっていますね。
自動車利用者をバス(あるいは電車)に切り替えさせようと、
増便させている場所もありますが、
結局はそれだけでは問題は解決出来ないんですよね。
公共交通に息を与えるためには、自動車に頼り切ったライフスタイル自体を見直し気付いた人から利用する意識、政策の両方が必要だと思います。

そういえば、岩手生活をブログにつづっているのでもしよかったらご覧ください。
暇なうちは続けようと思っています(笑
http://blogs.yahoo.co.jp/charikenken

投稿者 けんちゃん : 2007年02月23日 14:38

けんちゃんさん、こんばんは。
昨夜から今日にかけて冷たい北風が吹き荒れ、久しぶりに冬らしい一日になりました。ブログ拝見しました。そちらも信じられないような暖冬のようですね。あんなに雪が少ないなんて。
首都圏近郊は次第にバイパスや高速道路のネットワークが整い、マイカーの便利さがますます高まってきました。路線バスや鉄道の乗客の伸び悩みには、そのような背景もあるかと思います。マイカー利用者を再び公共交通網に呼び戻すには、それらと高速バスとの接続を良くするのも一つの方法でしょう。イーグルバスも高速バス事業を展開しているので、関越道の嵐山小川ICを活用した新しい輸送サービスも考えられそうです。
http://www.new-wing.co.jp/new/kousoku/top_right.htm
(↑現在は川越~羽田空港系統のみ運行中です。)

追伸)
2月21日付記事にいただいたコメントを、こちらへ移させていただきました。

投稿者 ヒロキ : 2007年02月24日 22:24

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