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2007年02月04日

柳沢厚労相と御手洗経団連会長(キヤノン会長)の発言に失望

2月6日付記事もあわせてご覧ください。

柳沢厚労相の発言、「女性は子どもを産む機械」!?

先日、所要で都内へ出るため最寄の東武東上線小川町駅へ向かいました。駅に着くと、ちょうど町議員の本多さんと柳田さんが駅頭宣伝の準備をされているところでした。私の暮らす八和田地区の本多さんや千野さん、柳田さんも含め町議員の皆さまには、昨年秋に実現した八和田学童保育クラブ開設の際にはたいへんお世話になりました。八和田小学校には私の妹夫婦の子供、姪のNaoちゃんとその弟のToshi君が通っていて、妹も学童開設のためアンケート調査や署名運動に携わっていました。
久しぶりにお会いしてあいさつを交わしているとき、「今日最初の受取人です」と1枚のチラシをいただきました。そこには次のようなタイトルが大きく書かれていました。

    柳沢発言「女性は子どもを産む機械」
    予算審議前に大臣罷免を

問題になったのは1月27日、松江市で開かれた自民党県議の後援会の集会で柳沢厚生労働相が発言した内容です。「朝日新聞」では次のように報じています(抜粋)。

 「朝日新聞」:2007年1月28日付記事(抜粋)
 →「女性は子ども産む機械」柳沢厚労相、少子化巡り発言

柳沢厚労相は年金や福祉、医療の展望について約30分間講演。その中で少子化問題についてふれた際、「機械と言って申し訳ないけど」「機械と言ってごめんなさいね」などの言葉を入れながら、「15~50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと述べたという。

このような発言に対し安倍総理は厳重注意に止めましたが、それだけでは済まされないと、与野党双方から非難の声が上がっています。
私もこのような例え方には強い不快感を禁じ得ません。「年金や福祉、医療の展望について」の講演に相応しくないばかりか、厚労相としての自覚に全く欠ける言動です。「一人頭で頑張ってもらうしかない」のは、子育て世代なら男女とも重々承知です。この世代には出産や子育ての不安、両親の、そして自分たちの老後の不安が重くのしかかっています。お勤めの方はもちろん、自営業者の家庭でも深刻な悩みをかかえている場合は少なくないのです。声だけの励ましなら、私にはただのお節介にしか感じられません。

 「おげんきですか 柳田たえこです」:2007年2月3日付記事
 →やはり、おやめになる方が・・

 「毎日新聞」:2007年2月5日付記事(抜粋)〔2月5日追記〕
 →政府・与党:厚労相続投で野党押し切る構え 選挙結果受け

4日投開票の愛知県知事選、北九州市長選で与党推薦候補が1勝1敗となった選挙結果を受け、政府・与党は「クビはつながった」(自民党幹部)として柳沢伯夫厚生労働相を続投させ、野党を押し切る構えだ。ただ、圧勝を期した愛知で与党推薦候補が接戦に持ちこまれるなど「女性は産む機械」との発言が投票結果に影響したとみられるだけに、野党側は対決姿勢を崩していない。
〔中略〕厚労相発言への世論の反発や閣僚の事務所費など「政治とカネ」をめぐる問題で与党が引き続き厳しい国会運営を迫られることは確実で、自民党内には、春ごろと見込む予算案成立後の内閣改造を求める声もある。

御手洗経団連会長が柳沢厚労相を擁護

柳沢厚労相の発言に関して御手洗経団連会長(キヤノン会長)は、「謝罪で十分」との認識を記者会見で述べています。

 時事通信「時事ドットコム」:2007年1月31日付記事(抜粋)
 →柳沢厚労相、進退に及ばず=謝罪で十分-御手洗経団連会長

日本経団連の御手洗冨士夫会長は31日、大阪市で記者会見し、「女性は子供を産む機械」と発言した柳沢伯夫厚生労働相の辞任を求める声が与党内からも出ていることについて、「すぐに謝罪、訂正しているので、それでいいのではないか。進退をどうのこうのということにはならないと私は思っている」と述べ、辞任する必要はないとの認識を示した。
御手洗会長は同相の発言の真意に関し、「多分、分かりやすく説明しようとして不用意な言葉が出たのではないか」と擁護した。

こうした擁護の背景には昨年12月、御手洗会長が柳沢厚労相へ「朝日新聞」の次の記事(抜粋)で報じられているような要請をしたこととも関連がありそうです。

 「朝日新聞」:2006年12月11日付記事(抜粋)
 →「残業代ゼロ労働」導入を要請 経団連会長、厚労相に

日本経団連の御手洗冨士夫会長と柳沢厚生労働相らが11日、東京都内のホテルで懇談し、労働法制見直しなどについて意見交換した。経団連側は、一定条件の会社員を労働時間規制から外し残業代を払う必要がなくなる「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入のほか、派遣労働者の期間制限や雇用申し込み義務の廃止などを要請した。

御手洗会長の叔父は
キヤノンカメラ初代社長にして元産婦人科医

御手洗冨士夫会長の叔父にあたる人に、キヤノンの創業者の一人、御手洗毅キヤノンカメラ(現キヤノン)初代社長がいます。御手洗毅さんは小さな町工場から出発したキヤノンの前身、精機光学研究所を資金面でも経営面でも強力に支え、1945年に敗戦の影響で一時解散に陥った会社を再び大企業へと押し上げた功労者です。その前職が産婦人科医だったこともあり、社員へ家族の健康の大切さを説いて「G・H・Q(Go Home Quickly~早く家へ帰れ!)」などの標語を掲げられたことでも有名です。そのような方が今もご健在なら、女性を「産む機械、装置」に例えた先の発言をどう思われたでしょう。

 キヤノン(株)キヤノンカメラミュージアム|歴史館(長編物語)
 →キヤノンカメラ史1937-1945 御手洗毅 代表取締役に就任

御手洗冨士夫会長の柳沢厚労相を擁護する発言を聞くと、叔父さんから一体何を学んできたのか疑問に思えてなりません。一連の労働法制見直しなど、初代が掲げた「Go Home Quickly」の標語に反する行いではないでしょうか。
私はキヤノンの撮影機材や周辺機器をあまり使ったことはないのですが、魅力的な優れた製品が多いだけになおさら、現キヤノン会長の言動にはつくづく失望してしまいました。

*ご参考(通称「御手洗ビジョン」の全文)

 (社)日本経済団体連合会:2007年1月1日付政策提言/調査報告
 →経団連ビジョン「希望の国、日本」
 →「希望の国、日本」全文(通称「御手洗ビジョン」、PDFファイル)

2月6日付記事もあわせてご覧ください。

項目: 一般 , 写真・カメラ , 行政・議会

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コメント

TBありがとうございます。
ひとくくりにするのは失礼かと思いますが、柳沢氏の年代の方は、気持ちの根底にめんめんと続いた家父長制度の中で「女性」に対して男性よりも劣ったものであるという優越感を持っていらっしゃるような気がします。「失言」ではなく「本心」が出たということでしょうか。
本心がさらけ出された以上どう謝罪しても「厚生労働大臣」という立場が許さないのではないでしょうか。

投稿者 柳田多恵子 : 2007年02月06日 00:50

柳田さんへ:

コメントどうもありがとうございます。
> 「失言」ではなく「本心」が出たということでしょうか。
については、マスコミの報道がどこまで正確か知る由もありませんので、私には何とも言えません。まして人の心の中のことですから、ここでは「疑わしきは本人の利益に」したいと思います。
私の考えを2月6日付記事にアップしました。ご覧いただけたらと思います。

投稿者 ヒロキ : 2007年02月06日 13:49

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