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2007年03月22日
フォトイメージングエキスポ2007に見るデジタル一眼レフ開発競争
イメージセンサーの大革命が始まりそう
今日から25日まで、東京ビックサイトで「フォトイメージングエキスポ2007」が開催されます。私は見に行けませんが、今はネットでほぼリアルタイムに現地の情報が入ってくるので、毎日楽しみに関連サイトをチェックしています。
今回の各社の展示で私が特に注目しているのが、キヤノンとソニーの最新動向です。両社とも、デジタル一眼レフ用イメージセンサーの開発では世界的な大手メーカーです(キヤノンは今のところ社外への供給はしていません)。
Impress「デジカメWatch」:2007年3月22日付記事
→【PIE2007】フォトイメージングエキスポ2007が開幕
~ソニーの次期αなど参考出品や新製品を展示
キヤノンは今回、5月下旬発売予定のEOS-1D Mark IIIで注目を集めているようです。店頭予想価格が50万円前後(レンズ別売)とのことですから、私が5年ほど前に買ったことのあるニコンD1Xとほぼ同じ価格帯になります。
しかしその当時に比べれば、EOS-1D Mark IIIに秘められた新機能はまさに夢の機能としか言いようがありません。1000万画素もの高画素でありながら秒間約10コマの高速連写を可能にしたばかりでなく、多くのデジタル一眼レフで見送られてきたライブビュー機能も採用され、背面の液晶モニターを見ながらの撮影もできるようになっているのです。これらの新機能はイメージセンサー(EOS-1D Mark IIIではCMOSセンサー)の進歩があって初めて実現したもので、これからはプロだけでなく、アマチュアカメラマンにとっても当たり前の機能になっていくのでしょう。
一方、イメージセンサー開発ではライバル関係にあるソニーですが、こちらも新しいセンサーを採用した新機種を開発中とのことです。ハイアマチュア向けモデルとフラッグシップモデルの2つのモックアップを出展していますが、詳しい仕様は一切不明です。ソニーは以前からニコン、ペンタックスなどへもイメージセンサーの供給をしており、スペックの前宣伝ができないのは取引先との間に守秘義務があるためだろうと思われます。
フラッグシップモデルの方はデザイン上、ファインダーのペンタプリズム部の大きな隆起が目立ち、APS-Cサイズより大きな、おそらく35mm判フルサイズ相当のイメージセンサーを採用しているのではないかと想像したくなるほどです。
なお、両機種ともカメラ内手ぶれ補正が搭載されるそうです。
ところで、ソニーのデジタル一眼レフ事業は元々イメージセンサーの供給先だったコニカミノルタから引継いだものですが、カメラ愛好者の中にはそのうちセンサーの社外供給を中止し、優秀な新型センサーを自社製品のために独占するのではないかと想像力を逞しくする人もいるようです。もちろんこれは素人考えで、もしそんなことをしてニコンやペンタックスのユーザーがキヤノンへ転向でもしたら、ソニーは大損することになってしまいます(つまりは共倒れ)。
各社間の開発競争はお互いの技術向上のために行うもので、その最大の目的はユーザーの要望に応え社会に貢献することだと言えます。それには開発費を回収すべく売上げ増進のため各社が最大限の努力を続けることが必要で、ソニーのセンサー開発事業のためにはニコンもペンタックスも(厳しい注文はつけつつも)協力は惜しまないことでしょう。
互いに競争しながら開発した技術やシステムの規格などは、成熟するにつれ、やがては業界全体の共有財産になっていくものです。それを促すために特許権に関する法が整備され、その有効期限も定められているのですから。
イメージセンサーの進歩はレンズの描写力も進歩させる
先ごろ、Impressから「PENTAX K10D/K100D完全ガイド」というムックが出版され、私もユーザーなので買い求めました。特に興味深かったのが、カメラやレンズ開発者へのインタビュー記事です。
35mm判フルサイズデジタル一眼レフの可能性について訪ねる記者に、ペンタックスのレンズの企画担当者や設計担当者が次のように答えています。
「フィルム時代の35mm判フルサイズに対応しているレンズがありますが、フルサイズの撮像素子(管理人注:イメージセンサー)に対応できるかというと検証しないとわからない。レンズが撮像素子に追いついていないという現象が考えられるんですよ。ちょっとこれは並大抵の性能のレンズではまともに描写できないぞと。もしうちがフルサイズのデジタル一眼レフをやるときには、ちょっとレンズをやり直さないといけない可能性が出てくると思っています」
「撮像素子のメーカーに、フルサイズしかありませんとかいわれたらどうしようかなと思って(笑)」
最後には冗談も飛び出す余裕も見られましたが、いつ社内で指示が出ても対応できるよう、戦戦兢兢と開発に備えている様子が伝わってくるインタビューでした。
フルサイズデジタル一眼レフについては現在キヤノンの独走状態が続いていて、今のところ画素数は1600万までですが、レンズの描写性能改善に関しては同社もかなり苦労しているようです。ソニーはドイツの名門光学メーカー、カールツァイスに応援を求めていますが、ペンタックスは単独、あるいはトキナーやHOYAとの協業でこの難題に取り組むことになります。レンズ設計には独特なこだわりを持つペンタックスのことですから、本領をどう発揮してくれるか大いに期待したいと思います(もうすっかり出るものと思い込んでいる私…笑)。
項目: 写真・カメラ
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