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2007年03月20日
35mmフィルム一眼レフカメラ中国に健在
ニコンFマウント仕様のほか
ペンタックスKマウント仕様も
3月16日付記事でご紹介したニコンFマウント仕様の純機械式フィルム一眼レフですが、写真用品メーカーのケンコーが自社ブランドで発売する予定とのことから、私は同社と関係が深い光学機器メーカーのコシナが受注した製品とばかり思っていました。
Impress「デジカメWatch」:2007年3月15日付記事
ケンコー、カラーメーターや露出計などを発表
■ フィルム一眼レフ
ところが、すでに3月18日付記事のリンクで周知したように、このカメラは中国の主力光学機器メーカー、鳳凰光学江西工場が一貫生産している製品だったのです。
同工場にはニコンFマウント仕様以外の製品もあり、その中には意外や、私も望んでいたペンタックスKマウント仕様のものもありました。また、電子制御式シャッターの絞り優先AE一眼レフも用意されています。いずれも、日本のコパルやセイコーが開発したシャッターユニットを採用しているようです。
これらの製品は以前から日本の業者を通じて輸入され、主にネット通販で流通していることも分かりました。先のケンコーの発表以来、カメラ関係のサイトなどで一気に話題が広まりつつあるようです。
鳳凰光学 PHENIX 輸入発売元 EYEOPTICOM:製品紹介
機械式一眼レフ DC303NE、DC55 (ペンタックスKマウント仕様)
機械式一眼レフ DN60、DN66 (ニコンFマウント仕様)
機械式一眼レフ DC303YC (旧ヤシカ/コンタックスマウント特注仕様)
機械式一眼レフ DC901 (旧ミノルタMDマウント仕様)
PHENIXブランドの中国製一眼レフについては、もう大分前にカメラ雑誌の記事で読んだことがあり、その存在は知っていました。製造技術は日本の京セラ(旧ヤシカ/コンタックスブランド)から導入され、その後ペンタックスKマウント仕様の機種が追加されたことも後に報じられました。しかし、それらが今なお細部に改良を重ねながら製造されていて、さらに旧ミノルタMDマウント仕様やニコンFマウント仕様の機種も登場していたとは思いもしませんでした。
最初のPHENIX一眼レフは旧ヤシカブランドのFX-3という製品をほぼそのままコピーしたDC303という機種で、当時のコシナ製一眼レフとは同仕様のコパル製シャッターユニットを採用するなど、部品や設計の一部に共通点も見られました。ケンコーがこの夏発売する予定のニコンFマウント仕様の一眼レフは外観からDN60と同じ製品だと思われますが、内部構造はDC303を踏襲しているらしく、私がコシナ製と思い違いしたのもそのためだったのです。
(「フォトイメージングエキスポ2007」のケンコーブースでは、DN66ベースと思われる製品も参考出品されたようです。)
それにしても、国内輸入販売元であるEYEOPTICOMさんの通販サイトを見ると、改めて中国製品の安さを実感させられます。私が小・中学生の頃だったらとても考えられないことです。
DN60はボディーのみで税込18,000円(送料別)。ケンコーの希望小売価格はいったいいくらになるのでしょう。
EYEOPTICOMの通販サイトのFAQに、次のようなことが書かれています。
Q 東京(名古屋、大阪等)で現物を見たいのですが。
A 取扱店がございません。
薄利で取り扱いをして頂ける方がございましたら、
ご連絡いただけたらと存じます。
ケンコーがDN60を扱うのは果たしてこの呼びかけに応じたのか、それとも独自の判断で鳳凰光学に発注したのかまったく分かりません。販売終了した一眼レフ、ベッサフレックスTMの発注先であるコシナとの関係も含め、今後どのような展開が見られるか興味は尽きないですね。
なお、鳳凰光学広東工場の公式サイトには日本語ページも公開されています。事業内容は日本のHOYAとも競合し、かなり高度な技術を持っているようです。
項目: 写真・カメラ
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