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2006年09月01日

開発は順調! 期待のペンタックス1000万画素デジタル一眼レフ

やはりこの秋デビュー!? 楽しみな「フォトキナ」

プロ写真家の谷口泉さんの「美写華写ブログ」(ペンタックス提供)で、ついにペンタックス商品企画担当の畳家久志さんから、開発中の1000万画素デジタル一眼レフに関するコメントが公表されました。

もっと写真を楽しみたいという目的で1000万画素の機種を待っている方の期待に応えていきたい。それだけでなく、カメラとしても質を高めて、画がきれいに出るよう努力しています。開発は順調ということで、ぜひ秋を期待していてください。

 PENTAX「美写華写ブログ」:2006年9月1日付記事より抜粋
  圧倒的な売れ行きのK100D、どこが評価されたのか?(3)

モックアップを見ると、操作部のレイアウトは私が慣れ親しんだ*istDに準じていて、とても使いやすそうです。サイズは少し大きくなるようですが、その分中身も大化けしていそうで期待はますます膨らみます。すでにK100Dからして、手ぶれ補正の効果やオートフォーカス、自動露出、オートホワイトバランスの精度など十分信頼できるレベルなので、ついそれ以上の質を求めたくなってしまうのです。
モックアップ(評価用の模型)の画像は、次の各ページに掲載されています。

 ペンタックス(株):2006年2月24日付ニュース
  「PMA 2006」デジタル一眼レフカメラ関連製品の参考出品につい

 「デジカメWatch」:2006年3月24日付記事
  【PIE2006】ペンタックス参考出品フォトレポート

当ブログ8月23日付記事の続きになりますが、この1000万画素機、K100D同様に学校アルバム関係の仕事でどこまで活躍できるか、私は非常に注目しています。
学園祭などのステージ発表や式典などの撮影用に手ぶれ補正があるだけでも資格十分ですが、問題なのは体育祭や運動部の公式試合などのケースです。ワールドカップの報道陣並みの重装備とはいかないまでも、シャッターレリーズタイムラグが短いなど、ある程度チャンスに強いメカが要求されることは言うまでもありません。高校野球など、県選抜までは地元写真館が学校アルバムや広報掲載用の依頼で出張撮影に行くこともあるのです。
この夏、入間や比企地域の中学校運動部の地区大会会場を回っていて同業者の方とよくお会いしましたが、皆さん、まるで申し合わせたかのようにニコンD200をお使いになっていたのが印象的でした。スポーツにも集合写真にもこれ1台で対応できるので、そのコストパフォーマンスの高さがどこの写真館でも重宝されているようです。私もクライアントの写真館からの貸し出し機材と自前機材とを組み合わせ、撮影に対応しました。
ただ、ニコンの手ぶれ補正はレンズ内蔵式で、ステージ向きの手ぶれ補正付大口径レンズは甚だ高価なうえ大柄なものしか今のところありません。もしペンタックスの1000万画素機がスポーツ撮影にも十分対応できる性能を備えていれば、きっと全国(いえ、世界中)の写真館から注目されることでしょう。
詳細は今月下旬にドイツで開催される映像機器展示会「フォトキナ」までには公表されるはずなので、とても楽しみです。
(海外のネット上ではもう、“噂”レベルとはいえかなり詳細がリークされ始めているようですが。興味のある方はその筋の掲示板などを探してみてください。)

願わくば早期に写真館向けのソリューションを

8月31日付記事で、ペンタックスが開発中のフォトスタジオ向けデジタル一眼レフを軸としたソリューションの展望について触れましたが、上記の1000万画素機とも組み合わせ、写真館向けのソリューションが構築できればかなり便利なものになりそうです。
このスタジオ向けデジタル一眼レフ、645 Digital(仮称)のモックアップ画像は、上に挙げた各ページに1000万画素機のそれとともに掲載されています。
ペンタックスでは67判645判といった、35mm判より大きなサイズのフィルムを使う各種スタジオ、ポスター撮影向けの一眼レフシステムも長年造り続けていますが、645 Digitalはそれらの交換レンズシステムを継承するデジタル一眼レフです(67判用レンズはアダプター使用)。特に、同社の67判システムは大人数の集合写真の出張撮影用に常備している写真館はたいへん多く、そのレンズを流用できて幾分コンパクトな645 Digitalは、より広い用途で活躍できる期待の新製品というわけなのです。
実は私も67判システムの愛用者なので、当分の間は高嶺の花かもしれませんが、いつかは手に入れてみたいと今から憧れているところなのです(ああ、鬼が笑いすぎて苦しそう。気の毒)。

フィルムカメラ時代から、35mm判一眼レフシステムと、それより大きなサイズのフィルムを使う一眼レフシステムとの両立を果たしてきたメーカーは、今やもうペンタックスくらいしかありません。根強い固定ユーザーに支えられた既存の豊富なシステムや小型軽量デジタル一眼レフの開発で得た技術の蓄積は、他社がそう簡単に追随できるものではないでしょう。
ペンタックスが写真館向けのソリューションを構築するうえで有利なのは、両フィルム一眼レフシステムをそれぞれ引き継ぐデジタル一眼レフで、撮影後の画像ファイルの管理や出力などを同じ純正ソフトで行えるということです。幅広いジャンルの撮影依頼に応じなければならないものの、その経営規模からできるだけシステムを整理したい写真館にとって、これからのペンタックスの商品アイテムはかなり有望なものになりそうです。

思えば、小さなお子さんが初めて目にするプロカメラマンといえば、多分それは七五三の記念撮影などでお世話になる町の写真館のカメラマンでしょう。そして、学校に上がってからも遠足のスナップ写真や各種行事の記念撮影などで、同じように写真館からの出張カメラマンをたびたび目にするようになるでしょう。そのときカメラマンが構えているカメラがペンタックスなら、そのお子さんはもちろん、保護者や先生方にとっても印象に残り、自然とメーカーの宣伝になるのではないでしょうか。
こうした効果を狙っているのか、キヤノンもすでに専門の商社や写真館団体などを通じ、田舎町の写真館にもあの手この手で宣伝を仕掛け始めています。同時に、製品発表会を兼ねたデジタルフォトセミナーへのお誘いも年がら年中です。これまで写真館に強い営業力を持っていたフジフイルムやコニカミノルタの事業を引継いだソニー、ペンタックス同様スタジオ向け一眼レフのデジタル化を進めている事業再建中のマミヤ、キヤノンと競合するニコンなどは、それほどお誘いが活発ではありません。キヤノンとはインクジェットプリンタで宿命(?)のライバル関係にあるエプソンの方が、むしろ働きかけは熱心です。
(ちなみに私は、プリンタもスキャナもエプソン製を愛用しています。)
そのエプソンが主催するセミナーでも私は以前、招かれた講師が実演で使っていたカメラが宿敵キヤノンのデジタル一眼レフという笑えない場面にも遭遇しましたので、こうした隙にペンタックスが入り込めれば新しいソリューションの認識を高めてもらう良い機会になるかもしれません。
(そう言えば、ペンタックス、エプソン、キヤノンとも、新宿のショールームは同じビルの同じフロアでしたね。)

映像技術のデジタル化やIT産業の進展で、カメラメーカーとユーザーとの距離は以前より一層近いものになってきたように感じています。近い将来どこかのセミナーなどの会場で、ペンタックスの関係者の皆さまにお会いし、お話を伺える日を楽しみにしています。

項目: 写真・カメラ

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