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2006年11月13日

ホンダ関連の工場候補地から滝ノ沢町有林は外れる見通し

11月10日に小川町議会全員協議会で町執行部が説明

5月25日付記事「ホンダ関連の工場用地になりうる小川町角山の滝ノ沢町有林」の中で私は、

滝ノ沢町有林では現在、NPOふうどや私も参加させていただいている里山クラブ“you-you”などの団体が、里山環境を活かした野外体験活動や自然観察等に活用し、同時に下草刈りや遊歩道整備などの保全活動も年数回実施しています。
こうした活動は町の『小川町環境基本計画』に基づくものですが、『小川町第4次総合振興計画』とは担当課が異なり、今後住民や関係者も交え、両計画の間で何らかの調整が図られることになるかもしれません。

と書きました。今年3月に策定された『小川町第4次総合振興計画』(PDF)の中で、滝ノ沢町有林を含む一帯の地域も工業・流通系活用地に指定されているからです。
6月と9月に開かれた小川町議会定例会の一般質問では、ホンダ関連企業の工場誘致にあたり、より条件の良い土地の確保とそれに伴う本振興計画等の見直しの必要性について複数の議員が指摘しました。
町でも、ホンダから用地は分散せずにまとめてほしいとの意向を受け、町有地だけでは不十分との見方から候補地の検討を進めていたようです。
このたび、11月10日に開かれた小川町議会全員協議会で、工場誘致の具体的な候補地について町執行部から議会への説明があったそうです。内容については管理人判断により現時点では控えさせていただこうと思いますが、第4次総合振興計画では住宅地や保全森林とされている区域の一部で、滝ノ沢町有林からは少しだけ離れた場所になります。

この情報は里山クラブ“you-you”会長の佐藤章さん、小川町議会議員の森田みどりさんから教えていただいたほか、同じ町議員の柳田たえこさんのブログもあわせて参考にさせていただきました。
柳田さんのブログの11月11日付記事から、一部を転載させていただきます。

10日に帰着後、午後6時から全員協議会。
3月に議決した第4次総合振興計画基本構想と第3次国土利用計画の一部変更について執行部から説明を受けました。本田関連企業の誘致を積極的に受け入れるため4次総の計画では住宅地、保全森林となっていた一部区域を工業・流通系活用地と変更するものです。
今後のスケジュール(予定)としては、11月、一部変更方針の決定、一部変更案の作成、審議会の開催(4次総の審議会委員が再登用)地区説明会、パブリックコメント(ホームページ)を経て12月議会に議案として上程されます。

(このことについての柳田さんのコメント)
区域を変更することは慎重に考えなければならないと思います。当初の期待したもくろみとは違う結果にならないか、長期的に見てどうなのか。町の将来をしっかり見据えて考えたいと思います。

 「おげんきですか 柳田たえこです」
  2006年11月11日付記事 土地利用の変更について より

住民グループがホンダへ宛てた『環境影響評価計画に対する意見書』

小川町里山クラブ“you-you”は、この春ホンダが小川町との境に位置する寄居町富田地区への新工場進出を公表したことから、滝ノ沢町有林を含めた小川町での住民による里山保全活動への理解と配慮を求めるため、同社に宛てて次のような『環境影響評価計画に対する意見書』を提出しています(転載承諾済)。

『環境影響評価計画に対する意見書』(抄)

 小川町里山クラブ “you-you”
  会長 佐藤 章

 環境からみえる小川町の現状

 1980年代後半、小川町は経済優先・地域環境置き去りの行政が先行し、プリムローズCC破綻に象徴される乱開発を招きました。その負の遺産は21世紀の小川町の町づくりに大きな障害となっております。
 自然豊かな里山は利権がらみの業者に買収され、バブル崩壊後はゴミが放置され、業者は倒産し、里山は不法な産廃業者の暗躍する場となってしまいました。こうした現状を憂慮し、里山の保全整備に汗を流す町民グループが、里山文化の再生と継承・地域コミュニティの創出の夢に向かって活動しています。

 21世紀は環境創生時代

 21世紀は環境創造時代です。今までのような守りの環境評価ではなく、育成する・創出する環境評価が求められています。それは企業・住民・行政が一体となって始めて可能となります。
 工場建設のための造成は必要最小限度にし、周囲の環境に調和し里山の自然の生態系を深め、高める「ホンダ」の企業戦略が求められています。これは貴社の製品が環境に優しく、工場建設が地域の人から愛される戦略にもつながります。

 町は里山づくりのモデル地区と指定
 角山滝ノ沢町有林(7.2ha)

 今回の環境影響評価書の寄居工場の近くに位置する、小川町角山滝ノ沢町有林(7.2ha)は、小川町の環境基本計画で町が「里山づくりのモデル地区」と指定し、町民がボランティアで調査整備活動を行い5年目に入っている里山です。
 町有林の整備計画は2001年からの3年間の調査活動を経て2005年に策定し、のべ1000人以上の町民が関わり、憩いの森・循環の森・体験の森とゾーン区分し、里山文化の再生と継承、地域のコミュニティの創出、グリーンツーリズムの拠点、子供たちの環境教育の場になっております。
 昨今の「ホンダ工場」の流れの中で、行政の一部には町有林に「ホンダ」の関連企業の誘致の考えもあるとのことですが、貴社においては、人の心を育て、里山文化を再生する活動に対し特段の配慮を要望いたします。

 地域に寄与する工場建設を

 地球温暖化・排気ガス・水質汚染・金属類の粉末の飛散・騒音・交通渋滞等に十分対処し、里山の生態系の保全と育成、資源循環型社会を目指して、人づくり・物づくり・地域づくりに寄与する大企業「ホンダ」の名にふさわしい工場になることを期待し意見書とします。

 「雑木林」6号(2006年11月12日 小川町里山クラブ “you-you”発行)より

ホンダも物づくりに取り組む企業として、自然環境や生態系の観測、評価方法については高度な技術とデータの蓄積を持っていることと思います。そのようなノウハウがこの地域へ活かされることを、大いに期待したいと思います。

項目: 町づくり・町おこし , 自然利用・環境保全 , 行政・議会

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