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2006年11月29日

里山は晩秋

 画題:『大平山と武蔵嵐山渓谷の紅葉』
 埼玉県比企郡ときがわ町田黒にて
 2006年11月28日撮影
 Camera:Nikon D200
 Lens:SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO
 アドビ「Photoshop Lightroom」ベータ4でRAW現像

 画題:『里をゆく秋 1』
 埼玉県入間郡越生町大満にて
 2006年11月28日撮影
 Camera:Nikon D200
 Lens:SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO
 アドビ「Photoshop Lightroom」ベータ4でRAW現像

 画題:『里をゆく秋 2』
 埼玉県入間郡越生町大満にて
 2006年11月28日撮影
 Camera:Nikon D200
 Lens:SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO
 アドビ「Photoshop Lightroom」ベータ4でRAW現像

11月もあと2日。
暦の上ではもうとっくに冬のはずなのに、このところ暖かな日が続いています。それでも時は約束どおり、里の山々へも晩秋の彩りを運んできました。
昨日の午前中は、某中学校の卒業アルバム用に授業中のスナップ写真を撮らせていただきました。校庭の紅葉を窓越しに眺めながら、もう20年以上も接することのなかった教室の雰囲気に、懐かしい思い出もよみがえります。成績のことさえ心配しなければ、授業も思いのほか面白いものだと、シャッターを切りながら今さらのように気が付きました。でも、期末試験や高校受験を間近に控えた生徒さんたちにとって、今先生の説明しているところが果たして問題に出るのかどうかが、やはり気になって仕方がないようすでした。
さて、掲載した写真はその日の午後、家へ帰る前にちょっと寄り道して撮影したものです。例年に比べると少し地味な感じもしますが、比企や奥武蔵の山々も、ご覧のように紅葉が見頃を迎えています。でも、今週末にはいよいよ冷え込みも増してくるようですから、あと何日も見られないかもしれませんね。
家に着くと、某ネットショップからペンタックスK10Dの出荷を知らせるメールが届いていました。順調なら、ひょっとすると29日中にも着くでしょうか。当地の紅葉シーズンに、ぎりぎりセーフで間に合ってくれそうです。

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2006年11月13日

ホンダ関連の工場候補地から滝ノ沢町有林は外れる見通し

11月10日に小川町議会全員協議会で町執行部が説明

5月25日付記事「ホンダ関連の工場用地になりうる小川町角山の滝ノ沢町有林」の中で私は、

滝ノ沢町有林では現在、NPOふうどや私も参加させていただいている里山クラブ“you-you”などの団体が、里山環境を活かした野外体験活動や自然観察等に活用し、同時に下草刈りや遊歩道整備などの保全活動も年数回実施しています。
こうした活動は町の『小川町環境基本計画』に基づくものですが、『小川町第4次総合振興計画』とは担当課が異なり、今後住民や関係者も交え、両計画の間で何らかの調整が図られることになるかもしれません。

と書きました。今年3月に策定された『小川町第4次総合振興計画』(PDF)の中で、滝ノ沢町有林を含む一帯の地域も工業・流通系活用地に指定されているからです。
6月と9月に開かれた小川町議会定例会の一般質問では、ホンダ関連企業の工場誘致にあたり、より条件の良い土地の確保とそれに伴う本振興計画等の見直しの必要性について複数の議員が指摘しました。
町でも、ホンダから用地は分散せずにまとめてほしいとの意向を受け、町有地だけでは不十分との見方から候補地の検討を進めていたようです。
このたび、11月10日に開かれた小川町議会全員協議会で、工場誘致の具体的な候補地について町執行部から議会への説明があったそうです。内容については管理人判断により現時点では控えさせていただこうと思いますが、第4次総合振興計画では住宅地や保全森林とされている区域の一部で、滝ノ沢町有林からは少しだけ離れた場所になります。

この情報は里山クラブ“you-you”会長の佐藤章さん、小川町議会議員の森田みどりさんから教えていただいたほか、同じ町議員の柳田たえこさんのブログもあわせて参考にさせていただきました。
柳田さんのブログの11月11日付記事から、一部を転載させていただきます。

10日に帰着後、午後6時から全員協議会。
3月に議決した第4次総合振興計画基本構想と第3次国土利用計画の一部変更について執行部から説明を受けました。本田関連企業の誘致を積極的に受け入れるため4次総の計画では住宅地、保全森林となっていた一部区域を工業・流通系活用地と変更するものです。
今後のスケジュール(予定)としては、11月、一部変更方針の決定、一部変更案の作成、審議会の開催(4次総の審議会委員が再登用)地区説明会、パブリックコメント(ホームページ)を経て12月議会に議案として上程されます。

(このことについての柳田さんのコメント)
区域を変更することは慎重に考えなければならないと思います。当初の期待したもくろみとは違う結果にならないか、長期的に見てどうなのか。町の将来をしっかり見据えて考えたいと思います。

 「おげんきですか 柳田たえこです」
  2006年11月11日付記事 土地利用の変更について より

住民グループがホンダへ宛てた『環境影響評価計画に対する意見書』

小川町里山クラブ“you-you”は、この春ホンダが小川町との境に位置する寄居町富田地区への新工場進出を公表したことから、滝ノ沢町有林を含めた小川町での住民による里山保全活動への理解と配慮を求めるため、同社に宛てて次のような『環境影響評価計画に対する意見書』を提出しています(転載承諾済)。

『環境影響評価計画に対する意見書』(抄)

 小川町里山クラブ “you-you”
  会長 佐藤 章

 環境からみえる小川町の現状

 1980年代後半、小川町は経済優先・地域環境置き去りの行政が先行し、プリムローズCC破綻に象徴される乱開発を招きました。その負の遺産は21世紀の小川町の町づくりに大きな障害となっております。
 自然豊かな里山は利権がらみの業者に買収され、バブル崩壊後はゴミが放置され、業者は倒産し、里山は不法な産廃業者の暗躍する場となってしまいました。こうした現状を憂慮し、里山の保全整備に汗を流す町民グループが、里山文化の再生と継承・地域コミュニティの創出の夢に向かって活動しています。

 21世紀は環境創生時代

 21世紀は環境創造時代です。今までのような守りの環境評価ではなく、育成する・創出する環境評価が求められています。それは企業・住民・行政が一体となって始めて可能となります。
 工場建設のための造成は必要最小限度にし、周囲の環境に調和し里山の自然の生態系を深め、高める「ホンダ」の企業戦略が求められています。これは貴社の製品が環境に優しく、工場建設が地域の人から愛される戦略にもつながります。

 町は里山づくりのモデル地区と指定
 角山滝ノ沢町有林(7.2ha)

 今回の環境影響評価書の寄居工場の近くに位置する、小川町角山滝ノ沢町有林(7.2ha)は、小川町の環境基本計画で町が「里山づくりのモデル地区」と指定し、町民がボランティアで調査整備活動を行い5年目に入っている里山です。
 町有林の整備計画は2001年からの3年間の調査活動を経て2005年に策定し、のべ1000人以上の町民が関わり、憩いの森・循環の森・体験の森とゾーン区分し、里山文化の再生と継承、地域のコミュニティの創出、グリーンツーリズムの拠点、子供たちの環境教育の場になっております。
 昨今の「ホンダ工場」の流れの中で、行政の一部には町有林に「ホンダ」の関連企業の誘致の考えもあるとのことですが、貴社においては、人の心を育て、里山文化を再生する活動に対し特段の配慮を要望いたします。

 地域に寄与する工場建設を

 地球温暖化・排気ガス・水質汚染・金属類の粉末の飛散・騒音・交通渋滞等に十分対処し、里山の生態系の保全と育成、資源循環型社会を目指して、人づくり・物づくり・地域づくりに寄与する大企業「ホンダ」の名にふさわしい工場になることを期待し意見書とします。

 「雑木林」6号(2006年11月12日 小川町里山クラブ “you-you”発行)より

ホンダも物づくりに取り組む企業として、自然環境や生態系の観測、評価方法については高度な技術とデータの蓄積を持っていることと思います。そのようなノウハウがこの地域へ活かされることを、大いに期待したいと思います。

項目: 町づくり・町おこし , 自然利用・環境保全 , 行政・議会 | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年11月11日

アドビ「Photoshop Lightroom」でJPEGをDNGへ変換

「Photoshop Lightroom」でもJPEGやTIFFをRAWとして処理

アドビが公開中の「Photoshop Lightroom日本語版パブリックベータ 4」で、JPEGやTIFF(8bit、16bit)などの画像ファイルを同社が提唱するDNG(Digital Negative)形式のRAWフォーマットへ変換できることに気付きました。

10月23日記事で私は本ソフトの特長に触れ、「JPEGモードで撮影した写真の色調補正にも有効」との見出しを付け、

興味深いのは、RAW現像のための基本補正に含まれる各種調整機能を操作しても、JPEG形式やTIFF形式などの画像の色調補正ができるということです。
JPEGやTIFFなどの画像をRAWデータとして処理する技術は先述の市川ソフトラボラトリーが「SILKYPIX RAW Bridge(シルキーピックス ロウ ブリッジ)」の名称で開発し、同社の「SILKYPIX Developer Studio 3.0」で実用化しました。「Photoshop Lightroom」にもこれと同様の技術が採用されているのかどうかは、アドビのコメントがまったく無いので分かりません。

と書きましたが、これで「Photoshop Lightroom」も「SILKYPIX Developer Studio 3.0」と同様に、JPEGやTIFFなどの画像をRAWデータとして処理できることが判明したことになります。

「Camera Raw」でもJPEGやTIFFの調整ができる

JPEGやTIFFから「Photoshop Lightroom」でDNGへ変換したファイルを、試しに「Photoshop CS2」で開いてみました。すると付属のRAW現像機能「Camera Raw」プラグインが起動し、各種調整機能を適用することができました。旧バージョンの「Camera Raw」でも、たぶん調整できるのではないかと思われます。他のソフトについては機会がなく試していませんが、このようなフォーマット変換機能により、DNGをサポートするあらゆるRAW現像ソフトの調整機能が適用できるようになるかもしれません。また、DNG変換後のファイルサイズがJPEGの場合は大きくなってしまいますが、TIFFは元のサイズより小さくなることから、そのアーカーブ用としても期待ができそうです。
なお、「SILKYPIX Developer Studio 3.0」には今のところ、このようなDNGへの変換機能はありません。DNGファイルの読み込みにも制限があり、JPEGやTIFFから変換したDNGファイルを開くことはできませんでした。

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2006年11月07日

ペンタックスK10D&アドビ「Photoshop Lightroom」への期待 (2)

K10Dと「Photoshop Lightroom」との
橋渡しになりそうなDNGとXMP

ペンタックス純正画像管理ソフト「PENTAX PHOTO Browser 3(Ver.3.00)」には、「ペンタックスRAWファイル(PEF)をAdobe Systems社提唱のDNG(Digital Negative)形式のRAWフォーマットへ変換」(ペンタックス公式サイト関連ページより)する機能があります。今のところ変換後のDNGファイルを同ソフトで閲覧、印刷などすることはできませんが、K10DのDNG形式でのRAWモード撮影対応に合わせ、Ver.3.10からはいよいよ可能になるようです。

同時にペンタックス純正RAW現像ソフト「PENTAX PHOTO Laboratory 3」も、Ver.3.00から3.10へアップデートし、K10Dで撮影したDNGファイルと「PENTAX Photo Browser 3」で変換したDNGファイルであればJPEGやTIFF(8bit、16bit)などの画像ファイルへ変換できるようになります。これは、DNGがExif Print(イグジフプリント、規格名称Exif 2.2)準拠の撮影情報に加え、カメラメーカー独自の撮影情報(各種撮影モードや画像仕上のパラメーターなど)も仕様の範囲内で埋め込めるようになっていることから、実現できたものです。
なお誤用防止のためか、他社のソフトで変換したり埋め込み情報を編集し再保存するなどしたDNGファイル、他社のデジタルカメラで撮影されたDNGファイルに関しては、ペンタックスのソフトでは予め開けないようになっています。

さて、ペンタックスがDNGのサポートを本格的に始めることで、新たな期待が沸いてきました。それは、撮影時にカメラで設定した彩度やコントラストなど画像仕上のパラメーターを、アドビ「Photoshop Lightroom」での閲覧や印刷、RAW現像時の色調補正へもある程度正確に反映できるようになるのではないか、ということです。そのための情報も、DNGファイルには「XMP(Extensible Metadata Platform)」という仕様に基づき、埋め込むことができるからです。
XMPは様々なファイルに対し、パソコン内やネット上での検索、利用、整理などに役立つ情報をそれらとリンクするサイドカーファイルとして書き出すかメタデータとして埋め込む際の仕様で、アドビがオープンソース・ライセンスで提供しているものです。そのため、他社も製品に応用することができます。ペンタックスがデジタルカメラやソフトウェアに採用すれば、同様にXMPを採用したあゆるソフトで、撮影意図を損ねることなくRAWファイルが扱えるようになるはずです。

 アドビ システムズ:製品
  デジタルカメラRAWファイルのアーカイブ形式、DNG(Digital Negative)

 アドビ システムズ:ソリューション
  アドビの法人向けソリューション:XMP

 「PC Watch」:山田祥平のReconfig.sys 2004年7月16日付記事
  メタデータとAdobeの思惑

「Photoshop Lightroom日本語版パブリックベータ 4」は、同ソフトで開いたファイルの画像仕上や色調補正に関するパラメーターをXMPサイドカーファイルとして書き出し利用することはできますが、それ以外のXMP仕様に基づくサイドカーファイルや埋め込み情報には、まだ完全に対応していません。今後製品化に向けて、自社製品を含め他のソフトとの互換性も高められることが期待されます。

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2006年11月02日

ペンタックスK10D&アドビ「Photoshop Lightroom」への期待 (1)

「Photoshop Lightroom」の楽しさ

アドビが10月19日に公開した総合画像管理ソフト、「Photoshop Lightroom日本語版パブリックベータ 4」(10月23日付記事参照)を試用中です。いや、素晴らしいです。本当に。
RAWモード撮影は複雑な光線下の撮影でこそ威力を発揮するもの、それだけに現像ソフトの調整も複雑で時間を要するもの、といった従来のイメージがどこかへ吹き飛んでしまうほどです。

これから試用してみようという方にはぜひ、「クイック現像」の自動調整機能「設定:AUTO」を試されることをお勧めします。パソコンのマシンパワーにもよりますが、複数のカットもまとめて処理することができます。
私のパソコン(Windows XP)のスペックはCPUがCeleron 2.4GHz、メモリが1.0GBですが、ニコンD200のRAW圧縮ファイル(1000万画素)でも、20~30カット程度なら一度に難なく処理できます。
もし処理途中で動作不安定になりパソコンを再起動させなければならない事態が生じても、そこまでの作業内容はソフトが一時ファイルに記録してくれるので、すぐに続きを再開できます。
他社のソフトや「Photoshop」付属のRAW現像機能「Camera Raw」にも、似たような自動調整機能はあります。しかし、実用性は今一歩というのが正直な感想でした。その点、ハイライトやシャドウの現像も別々に操れる「Photoshop Lightroom」なら、精度の高さはまったく別次元です。自動といっても、各機能の調整量はスライドバーに反映されるので、結果を元に手動で表現意図に沿った再調整を加えることもできます。つまり、ソフトが示してくれる模範解答を出発点に、要領よく調整が進められるというわけです。
レタッチソフトによくある自動調整はブラックボックス的なものがほとんどで、最初からそれに頼ると、どんなときどこをどう調整すればよいかノウハウがなかなか身に付かなくなる心配があります。それに比べ「Photoshop Lightroom」の自動調整は、むしろ楽しい先生になってくれる手放しがたい存在だと思います。今後もさらに精度向上が期待できそうで、実に楽しみです。

ところで、この「Photoshop Lightroom日本語版パブリックベータ 4」の「ヘルプ」を参照すると、「Lightroom〝5つのルール」を読むことができます。その最後の5つめが、とても気が利いていて説得力があるのです。まだの方はちょっと覗いてみて下さい。

K10DもDNGで「Photoshop Lightroom」に対応
-「画質革命」とRAW現像革命(?)との出会いはもうすぐ-

あとおよそひと月で、待ちに待った発売日を迎えるペンタックスK10D。ところが「Photoshop Lightroom」(2007年前半に英語版から発売予定)は、まだ発売されていないカメラのRAWファイル形式には対応していません。
でも安心。ペンタックスの方が「Photoshop Lightroom」でのRAW現像に対応してくれたからです。それは、アドビが2004年に提唱し始めた汎用RAWファイル形式、DNG(Digital Negative=デジタルネガティブ)を採用することで実現しました。DNGは、「デジタルカメラで撮影されたRAWファイル用に新たに開発された、一般に公開された標準アーカイブ形式」(アドビ公式サイト関連ページより)です。

 アドビ システムズ:製品
  デジタルカメラRAWファイルのアーカイブ形式、DNG(Digital Negative)

ペンタックスはカメラ同梱の画像管理ソフト「PENTAX PHOTO Browser」をこの夏、Ver.3.00へアップデートし、「ペンタックスRAWファイル(PEF)をAdobe Systems社提唱のDNG(Digital Negative)形式のRAWフォーマットへ変換」(ペンタックス公式サイト関連ページより)する機能を追加しました。この変換はたいへんスピーディです。さらにそれだけではなく、K10Dは「PENTAX PHOTO Browser」が利用できない環境でも困らないよう、カメラ専用RAWファイル形式であるPEFのほか、DNG形式でのRAWモード撮影も選べるよう設計されているのです。これは、日本のメーカーのデジタル一眼レフとしては初の試みです。
DNGの採用で、今後のペンタックスの新機種は発売時から、「Photoshop Lightroom」をはじめDNGに対応するあらゆるソフトで、RAWファイルの閲覧、現像、印刷ができるようになりました。また将来、使用中のソフトが旧バージョンとなり新機種の専用RAWファイル形式への対応サポートが終了した場合でも、ただちに新バージョンへのアップデートに追われなくて済むようになりました。

*ご参考

アドビは無償で、各社デジタルカメラの専用RAWファイルをDNGに変換するソフト「Adobe DNG Converter」を提供しています。新機種にも順次アップデートで対応するほか、販売が終了した機種も広くサポートしています。現在はすでにデジタルカメラ事業から撤退したメーカーの製品にも対応しているので、現時点でDNGに変換しておけば、将来そのカメラのメーカーが純正RAW現像ソフトのサポートを打ち切るようなことがあった場合でも、アドビをはじめ他社のDNG対応ソフトでRAW現像することができます。

「Photoshop Lightroom」は写真関係の学校に浸透するか?

10月16日付記事で「写真入門の教材としてのデジタルカメラシステム」と題して書いたことですが、私は写真関係の学校での実習に関して「撮影をサポートするソフトはカメラメーカー純正が前提」との考えから、次のように意見をまとめました。

RAW現像ソフトのパラメータがカメラ側と連動していれば、カメラで設定した彩度やコントラスト、シャープネス、ホワイトバランスなどが正確に反映された画像をパソコンディスプレイで再生でき、かつそれらを再調整することでそれぞれの効果もシミュレーションできます(彩度やコントラスト、シャープネス、ホワイトバランスなどのカメラ側での設定については、8月8日付記事もあわせてご覧ください)。パラメータはファイル化して保存、再利用でき、実習経験の蓄積や分析にもたいへん役立ちます。カメラメーカー純正ソフトなら撮影時の各種情報も最大限に参照できるので、撮影をサポートするためのソフトとして、レタッチソフトより先に使い方を習得すべきだろうと思います。

しかし「Photoshop Lightroom」を試用し、このソフトが写真関連業界の標準ソフトとして予想以上に有望なことが分かってきたことから、私の考えも少しずつ変わり始めています。冒頭でも「楽しい先生になってくれる手放しがたい存在」と書いたように、「Photoshop Lightroom」はデジタル写真撮影の学習にもたいへん役立つソフトです。もともとフォトグラファーが撮影依頼者との間でプレゼンテーションやディスカッションに利用しやすいよう開発されたソフトですから、学校での講義や実習にも当然利用しやすいはずです。何より、世界中から厚い信頼を寄せられているメーカーのソフトですから、職業訓練の意味でも、学術研究の意味でも、また各社の同種のソフトを比較評価する力を養う意味でも、「Photoshop Lightroom」の習得を重視する学校は今後増えていくのではないかと思われます。特定カメラメーカーの指定撮影機材やその純正ソフトの貸し出しを受けての実習は、行うにしても入学当初の基礎段階に止まることになるかもしれません。

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