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2007年03月23日

アドビ「Photoshop Lightroom」ついに到着!

待望の「Photoshop Lightroom」(1月30日付記事参照)が先ほど届きました。
早速インストールしてみましたが、ベータ版に比べ動作はさすがに速くなっているようです。ちょっと弄っただけでも体感できました(操作性も良くなりました)。これならまだ、マシーン(Windows XP、CPU=Celeron 2.4GHz、メモリ=1.0GB)の買換えはしなくて済みそうです。
もちろんペンタックスK10DのRAW(PEF)形式にも対応済み。これで残りの卒業関係イベントの画像処理も一気に進められるでしょう。個人的には赤目補正もこのソフトでできるようになったことが大助かりですね。

思えば今まで、よくこのようなツール無しでやってこれたものです。非常に重要なソフトだと思うのですが、(写真家)業界の関心の度合いはかなり個人差が大きいようです。どちらかというとデザイン、印刷業界と縁の深かったアドビですが、もっとこの業界に対しても宣伝に力を入れてよいのではないでしょうか。
(「フォトイメージングエキスポ2007」にも出展しているようですね。)

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2007年03月22日

フォトイメージングエキスポ2007に見るデジタル一眼レフ開発競争

イメージセンサーの大革命が始まりそう

今日から25日まで、東京ビックサイトで「フォトイメージングエキスポ2007」が開催されます。私は見に行けませんが、今はネットでほぼリアルタイムに現地の情報が入ってくるので、毎日楽しみに関連サイトをチェックしています。
今回の各社の展示で私が特に注目しているのが、キヤノンとソニーの最新動向です。両社とも、デジタル一眼レフ用イメージセンサーの開発では世界的な大手メーカーです(キヤノンは今のところ社外への供給はしていません)。

 Impress「デジカメWatch」:2007年3月22日付記事
 →【PIE2007】フォトイメージングエキスポ2007が開幕
  ~ソニーの次期αなど参考出品や新製品を展示

キヤノンは今回、5月下旬発売予定のEOS-1D Mark IIIで注目を集めているようです。店頭予想価格が50万円前後(レンズ別売)とのことですから、私が5年ほど前に買ったことのあるニコンD1Xとほぼ同じ価格帯になります。
しかしその当時に比べれば、EOS-1D Mark IIIに秘められた新機能はまさに夢の機能としか言いようがありません。1000万画素もの高画素でありながら秒間約10コマの高速連写を可能にしたばかりでなく、多くのデジタル一眼レフで見送られてきたライブビュー機能も採用され、背面の液晶モニターを見ながらの撮影もできるようになっているのです。これらの新機能はイメージセンサー(EOS-1D Mark IIIではCMOSセンサー)の進歩があって初めて実現したもので、これからはプロだけでなく、アマチュアカメラマンにとっても当たり前の機能になっていくのでしょう。

一方、イメージセンサー開発ではライバル関係にあるソニーですが、こちらも新しいセンサーを採用した新機種を開発中とのことです。ハイアマチュア向けモデルとフラッグシップモデルの2つのモックアップを出展していますが、詳しい仕様は一切不明です。ソニーは以前からニコン、ペンタックスなどへもイメージセンサーの供給をしており、スペックの前宣伝ができないのは取引先との間に守秘義務があるためだろうと思われます。
フラッグシップモデルの方はデザイン上、ファインダーのペンタプリズム部の大きな隆起が目立ち、APS-Cサイズより大きな、おそらく35mm判フルサイズ相当のイメージセンサーを採用しているのではないかと想像したくなるほどです。
なお、両機種ともカメラ内手ぶれ補正が搭載されるそうです。

ところで、ソニーのデジタル一眼レフ事業は元々イメージセンサーの供給先だったコニカミノルタから引継いだものですが、カメラ愛好者の中にはそのうちセンサーの社外供給を中止し、優秀な新型センサーを自社製品のために独占するのではないかと想像力を逞しくする人もいるようです。もちろんこれは素人考えで、もしそんなことをしてニコンやペンタックスのユーザーがキヤノンへ転向でもしたら、ソニーは大損することになってしまいます(つまりは共倒れ)。
各社間の開発競争はお互いの技術向上のために行うもので、その最大の目的はユーザーの要望に応え社会に貢献することだと言えます。それには開発費を回収すべく売上げ増進のため各社が最大限の努力を続けることが必要で、ソニーのセンサー開発事業のためにはニコンもペンタックスも(厳しい注文はつけつつも)協力は惜しまないことでしょう。

互いに競争しながら開発した技術やシステムの規格などは、成熟するにつれ、やがては業界全体の共有財産になっていくものです。それを促すために特許権に関する法が整備され、その有効期限も定められているのですから。

イメージセンサーの進歩はレンズの描写力も進歩させる

先ごろ、Impressから「PENTAX K10D/K100D完全ガイド」というムックが出版され、私もユーザーなので買い求めました。特に興味深かったのが、カメラやレンズ開発者へのインタビュー記事です。
35mm判フルサイズデジタル一眼レフの可能性について訪ねる記者に、ペンタックスのレンズの企画担当者や設計担当者が次のように答えています。

「フィルム時代の35mm判フルサイズに対応しているレンズがありますが、フルサイズの撮像素子(管理人注:イメージセンサー)に対応できるかというと検証しないとわからない。レンズが撮像素子に追いついていないという現象が考えられるんですよ。ちょっとこれは並大抵の性能のレンズではまともに描写できないぞと。もしうちがフルサイズのデジタル一眼レフをやるときには、ちょっとレンズをやり直さないといけない可能性が出てくると思っています」
「撮像素子のメーカーに、フルサイズしかありませんとかいわれたらどうしようかなと思って(笑)」

最後には冗談も飛び出す余裕も見られましたが、いつ社内で指示が出ても対応できるよう、戦戦兢兢と開発に備えている様子が伝わってくるインタビューでした。

フルサイズデジタル一眼レフについては現在キヤノンの独走状態が続いていて、今のところ画素数は1600万までですが、レンズの描写性能改善に関しては同社もかなり苦労しているようです。ソニーはドイツの名門光学メーカー、カールツァイスに応援を求めていますが、ペンタックスは単独、あるいはトキナーやHOYAとの協業でこの難題に取り組むことになります。レンズ設計には独特なこだわりを持つペンタックスのことですから、本領をどう発揮してくれるか大いに期待したいと思います(もうすっかり出るものと思い込んでいる私…笑)。

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2007年03月20日

35mmフィルム一眼レフカメラ中国に健在

ニコンFマウント仕様のほか
ペンタックスKマウント仕様も

3月16日付記事でご紹介したニコンFマウント仕様の純機械式フィルム一眼レフですが、写真用品メーカーのケンコーが自社ブランドで発売する予定とのことから、私は同社と関係が深い光学機器メーカーのコシナが受注した製品とばかり思っていました。

 Impress「デジカメWatch」:2007年3月15日付記事
  ケンコー、カラーメーターや露出計などを発表
   ■ フィルム一眼レフ

ところが、すでに3月18日付記事のリンクで周知したように、このカメラは中国の主力光学機器メーカー、鳳凰光学江西工場が一貫生産している製品だったのです。

同工場にはニコンFマウント仕様以外の製品もあり、その中には意外や、私も望んでいたペンタックスKマウント仕様のものもありました。また、電子制御式シャッターの絞り優先AE一眼レフも用意されています。いずれも、日本のコパルやセイコーが開発したシャッターユニットを採用しているようです。
これらの製品は以前から日本の業者を通じて輸入され、主にネット通販で流通していることも分かりました。先のケンコーの発表以来、カメラ関係のサイトなどで一気に話題が広まりつつあるようです。

 鳳凰光学 PHENIX 輸入発売元 EYEOPTICOM:製品紹介
  機械式一眼レフ DC303NE、DC55 (ペンタックスKマウント仕様)
  機械式一眼レフ DN60、DN66 (ニコンFマウント仕様)
  機械式一眼レフ DC303YC (旧ヤシカ/コンタックスマウント特注仕様)
  機械式一眼レフ DC901 (旧ミノルタMDマウント仕様)

PHENIXブランドの中国製一眼レフについては、もう大分前にカメラ雑誌の記事で読んだことがあり、その存在は知っていました。製造技術は日本の京セラ(旧ヤシカ/コンタックスブランド)から導入され、その後ペンタックスKマウント仕様の機種が追加されたことも後に報じられました。しかし、それらが今なお細部に改良を重ねながら製造されていて、さらに旧ミノルタMDマウント仕様やニコンFマウント仕様の機種も登場していたとは思いもしませんでした。
最初のPHENIX一眼レフは旧ヤシカブランドのFX-3という製品をほぼそのままコピーしたDC303という機種で、当時のコシナ製一眼レフとは同仕様のコパル製シャッターユニットを採用するなど、部品や設計の一部に共通点も見られました。ケンコーがこの夏発売する予定のニコンFマウント仕様の一眼レフは外観からDN60と同じ製品だと思われますが、内部構造はDC303を踏襲しているらしく、私がコシナ製と思い違いしたのもそのためだったのです。
(「フォトイメージングエキスポ2007」のケンコーブースでは、DN66ベースと思われる製品も参考出品されたようです。)

それにしても、国内輸入販売元であるEYEOPTICOMさんの通販サイトを見ると、改めて中国製品の安さを実感させられます。私が小・中学生の頃だったらとても考えられないことです。
DN60はボディーのみで税込18,000円(送料別)。ケンコーの希望小売価格はいったいいくらになるのでしょう。
EYEOPTICOMの通販サイトのFAQに、次のようなことが書かれています。

 Q 東京(名古屋、大阪等)で現物を見たいのですが。
 A 取扱店がございません。 
   薄利で取り扱いをして頂ける方がございましたら、
   ご連絡いただけたらと存じます。

ケンコーがDN60を扱うのは果たしてこの呼びかけに応じたのか、それとも独自の判断で鳳凰光学に発注したのかまったく分かりません。販売終了した一眼レフ、ベッサフレックスTMの発注先であるコシナとの関係も含め、今後どのような展開が見られるか興味は尽きないですね。

なお、鳳凰光学広東工場の公式サイトには日本語ページも公開されています。事業内容は日本のHOYAとも競合し、かなり高度な技術を持っているようです。

 鳳凰光学(広東)有限公司 日本語公式サイト

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2007年03月18日

PHENIX!?

 鳳凰光学 PHENIX 輸入発売元 EYEOPTICOM:製品紹介
  機械式一眼レフ DC303NE、DC55 (ペンタックスKマウント仕様)
  機械式一眼レフ DN60、DN66 (ニコンFマウント仕様)
  機械式一眼レフ DC303YC (旧ヤシカ/コンタックスマウント特注仕様)
  機械式一眼レフ DC901 (旧ミノルタMDマウント仕様)

〔続く〕

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2007年03月16日

写真用品メーカーのケンコーが35mm判フィルム一眼レフカメラを発表

この夏発売予定

 Impress「デジカメWatch」:2007年3月15日付記事
  ケンコー、カラーメーターや露出計などを発表
   ■ フィルム一眼レフ

実は、何となく期待していたんです(↑)。
できるとしたらもう、この会社しかないんじゃないかな、って(^_^)。
見込みがあったからこそ私は、今年の初めに次のような一連の記事を書いたわけなんです。

 ▽1月7日付記事より

既報の通り今年10月、ペンタックスは光学材料メーカーのHOYAと経営統合し、新会社HOYAペンタックスHDが発足します(2006年12月27日記事参照)。実はそのHOYAの傘下にある写真用品メーカーのケンコーが、ついこの間までベッサフレックスTMという、(ニコン)FM10に“とても”よく似た(それでいてずっと高級感のある)一眼レフを発売していたのです。
〔中略〕ベッサフレックスTMはりんごのふる里、長野県にある光学メーカー、コシナが設計、生産を請負ったカメラでした。それは、同社がかつて他のブランドで輸出用、通販用に生産していた(ひょっとしてまだ生産している?)一眼レフをベースにリニューアルしたものです。そのベースとなった一眼レフこそ、何を隠そう、ペンタックス現行のD FAレンズが使用できる規格のカメラだったのです。
そのような一眼レフをペンタックスの商品として、ペンタックスブランド誕生50周年記念事業の一環として、世に出すことはできないものでしょうか。

 ▽1月23日付記事より

欲しい、子供も大人も満足できるフィルム一眼レフ

一眼レフに限らずフィルムカメラは急速に品数が減り、特殊な用途のものか熱心な写真愛好家向けの高級機種などに製品の種類が絞られてきています。その中で一部の安価なコンパクトカメラ等はなお健在ですが、せっかく限られた時間の中で存分に写真の勉強を楽しもうというのなら、やはり自由にレンズ交換のできる手頃な値段の一眼レフが欲しいところです。
ニコンFM10(税込希望小売価格38,850円、レンズ別売)は唯一、現行製品の中ではその条件を満たすフィルム一眼レフだと思います。
〔中略〕FM10の発売元はニコンですが、一説によるとその設計は長野県にある光学機器メーカー、コシナによるものだと言われています。コシナにはペンタックスと交換レンズが共用できる一眼レフを生産してきた実績があり、FM10はそのニコン向け仕様だという説です。
〔中略〕願わくばペンタックス仕様のFM10のようなカメラも近いうちに登場し、子供も含む初心者の選択肢が少しでも広がってほしいものだと思います。

 ▽1月27日付記事より

カメラメーカーさんへのお願い(独り言)

〔前略〕これは私のお願い、といっても独り言に過ぎないのですが、仮にもしも、もしも小・中学校に写真の授業があるとしたら、カメラメーカーさんにもどのようなカメラが教材として贈り物に喜ばれるか、一度じっくり考えてみていただけたらと思うのです。商品企画や開発、設計に携わる方々にはそれこそ我が子に、おられない方なら親戚や友人、知人のお子さんに贈るつもりで、ぜひこんなカメラを持たせてあげたいと思うようなカメラを、つくり上げてもらえたらと願うのです。
お子さんがそんなカメラと青春をともにし、いつか大人になりもう一度使ってみたとき、ああ、あのとき両親は本当に良い物を選んでくれたんだなぁと感じてもらえれば、それもまた一つの幸せなのではないかと思えるからです。

ケンコーがベッサフレックスTMの販売を終了したことから、おそらくそれに続く次の企画がシリーズの一環として進んでいるのだろうと読んでいたのですが、予感は的中しました。ただ、ペンタックスユーザーの私にとってちょっと残念だったのは、ペンタックスKマウント仕様ではなくニコンFマウント仕様だったということ。主な機能から、純機械式のニコンFM10の基本設計を踏襲し、プラスティック製の外装を金属製に変えたものだろうと考えられます。試作品を写真で見る限り、どこか懐かしい“手づくりの味”を感じさせる仕上がりですね(笑)。
でもこれで、フィルムカメラによる写真入門の扉が閉ざされるようなことは、当分の間避けられそうです。何しろケンコーは、一度手がけた企画は必ずと言って良いほど息の長いロングセラーシリーズに育ててしまう、類まれな粘り強いメーカーですから(例:テレプラス)。中学や高校の写真部員にとっても、新品のフィルムカメラで撮った写真を学校の暗室で現像、プリントすることは、どれほど世代が代わっても失いたくない喜びなのです。

ペンタックスKマウントの
純機械式フィルム一眼レフの可能性

さて、今年10月にペンタックスは、ケンコーの株主でもあるHOYAと経営統合して新会社HOYAペンタックスHDになります。ペンタックスの商品もケンコーの商品も、資本的には同じグループ企業による事業ということになるのでしょうか。ちょっとユニークな展開になりそうです。
そうした中、ペンタックスKマウントの純機械式フィルム一眼レフ発売の可能性が、改めて見えてきました。

2月22日付記事でもお伝えしましたが、ペンタックスは仮称とはいえ、当初フィルム一眼レフ兼用として企画していた望遠レンズの試作品を、デジタル一眼レフ専用のシリーズ名で発表しました。そのため、もうフィルム一眼レフ関連の開発への意欲はなくしてしまったのかと私は心配していたのですが、それも杞憂だったようです。
先ごろアメリカで開催された写真機材ショー「PMA 2007」でのImpressによるインタビューによると、ペンタックスは従来発売してきたフィルム一眼レフと兼用できる交換レンズシリーズのリフレッシュについても、来年から取り組み始めるようです。

 Impress「デジカメWatch」:2007年3月16日付記事
  PMAを終えて振り返るデジカメのトレンド
   ■ 各社インタビューの補完 ・ペンタックス

私が今まで愛用してきたレンズも、きっと新設計で復活することでしょう。万一なくしたりしたら代替品はもう手に入らなくなるのではないかと不安で仕方なかったのですが、これで一安心できました。
交換レンズが継続されるなら、フィルム一眼レフ本体についても新製品を期待することは大いにできそうです。ブランド名はケンコーかペンタックスか、それともまったく違うものになるかは分かりませんが、新生HOYAペンタックスHDグループによるこれからの展開に注目したいと思います。

なお、ペンタックスはデジタル一眼レフの開発についてももちろん、これまでとは比べ物にならないくらい意欲的に取り組んでいくとのことで、実に頼もしい限りです。

 Impress「デジカメWatch」:2007年3月12日付記事
  1年半のモデルチェンジサイクルは長すぎる
  ~ペンタックス 鳥越興氏と畳家久志氏に聞く

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2007年03月15日

いよいよ春本番! ですね

今日は中学校の卒業式の撮影でした

記録的な暖冬で梅の花は早くも終盤。代わって、花桃のピンクの蕾が今にも咲き出しそうなほど膨らんできています。田園ではヒバリのさえずりも聞かれるようになりました。
今日は近隣の町の公立中学校の卒業式の撮影でした。クライアントの写真館さんでは比企、入間郡市内の何校もの卒業アルバム制作を請け負っていて、常時数名のカメラマンが巡回しています。撮影がデジタルになってからは、前もってフィルムを預かりに店頭へ寄ることがなくなったので、撮影当日は直接自宅から指定の学校へ向かうことが多くなりました。

今日お伺いした中学校は私の家から距離的に近い学校の一つということもあり、クライアントさんから撮影の依頼を受ける機会も多く、それだけに無事生徒さんたちが卒業の日を迎えることができて何ともホッとしました。
式の最後に全生徒で合唱した歌は「旅立ちの日に」。この地に近い秩父市の中学校で生まれた、先生方が生徒さんたちへ贈った手作りの歌です。
2006年3月13日付記事をご参照ください。)

今やテレビCMのテーマソングに採用されるほどポピュラーな曲になりましたが、歌詞の中に詠まれている「山なみ」ともつながっている土地柄ですから、やはり学校をとりまく環境にもイメージがとても良く似合っていて、当事者でもないのに聞くたびリアルな実感がこみ上がってきてしまいます。

今日の写真は目下、整理、調整の真っ最中です。卒業関係の撮影の山場はこれで概ねひと段落つきますが、この後も入学シーズンに向けて進めておかなければならない重要な作業が控えています。
それは、ハードディスクの大掃除。卒業シーズン前にも少しは要らないファイルを削除し空きスペースを作りましたが、それだけでは間に合わず外付けディスクの買い増しで急遽対応しました。
撮影データは万一に備え、システムとは別の複数のディスクに分散して保管しなければなりません。本当はRAIDを導入すべきなのですが、予算の都合でそこまで手が回らないのが実情です。普段使わないデータはDVD-RAMにバックアップを取るなど、乏しいディスク資源を節約しながら何とかやりくりしているところです。

今年の桜の開花予報によれば、埼玉もあと1週間くらいで咲き出しそうだということです。好きな写真を撮りに行きたいところですが、仕事と趣味の両立もパソコン周りの環境が万全に整うまでは、しばらくの間(ってどのくらい…(^_^;)?)おあずけです。

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2007年03月13日

デジタル撮影では初めて迎える卒業シーズン

デジタルカメラの本当の便利さって?

今月に入って卒業式や謝恩会など、中学校から大学まで卒業生を送るさまざまな学校行事の撮影が続いています。去年のこの時期はすべてフィルムによる撮影でしたが、昨年4月以降クライアントさんの方針でスナップ写真はデジタル撮影に移行したため、私にとってはかつて無いほど連日膨大な撮影データの処理に追われる日々が続いています。当然ですが、いずれも卒業アルバムに載せる写真なので、仕上げを急ぐものばかりです。フィルム撮影なら、撮ったフィルムを店頭に出した時点で私の手から仕事は離れます。それがデジタル撮影となると、帰ってから必要なデータのみを選択し、画像修正も加えた上で全ファイルに通しナンバーを打ち、CD-Rに焼いて初めて納品の用意が整うことになります。

デジタル撮影にありがちな誤解ですが、フィルム代や現像代が要らないからといって、好きなだけたくさん撮れることがメリットのように思われることがあります。また、後からパソコンソフトで加工や修正ができることから、少しくらいの撮影ミスなら簡単に救えるように思われることもあります。ところが実際は、撮影後の処理や管理の手間まで考えると、本当に撮るべき大事なシーンを選んで1枚1枚無駄のないよう丁寧に撮影を進めていくことこそ、デジタル撮影では心掛けなければいけないことなのです。それができるようになるにはやはり、ある程度経験を積むことが欠かせないでしょう。
幸い、デジタルカメラは撮ったその場で写真を再生することができます。失敗が許されないシーンだとフィルム撮影ではつい条件を変えて余分に撮りたくなるものですが、デジタル撮影では再生画面で確認できるので、そのような無駄は上手に省きたいところです。シャッターを切るたび確認していては撮影の妨げになりますが、構図や露出、ピント、シャッターチャンスなどチェックポイントを要領良く押さえることで、本当の意味で撮影の労力を軽減できるようになりたいものです。そうしないと、決して安くないデジタル機材をわざわざ買い揃えてまで余計な仕事を増やすことになってしまうのですから。それでは結局、本末転倒ですよね。

無視できないデジタルカメラとパソコンソフトとの連携

卒業式関係の撮影シーズンを前に、心から「助かった~!」と思える出来事がありました。それは、2月19日にアドビのRAW現像プラグイン「Camera RAW 3.6」が「Camera Raw 3.7」へとアップデートしたことです。これにより、私のメインカメラであるペンタックスK10Dの専用RAWファイル形式(PEF)にもようやく対応し、RAWモード撮影が不自由なくできるようになったのです。それ以前は「PENTAX PHOTO Browser」でPEFファイルをアドビ提唱のDNGへ変換するか、最初からDNG形式での撮影を選ぶしか方法がありませんでした。PEFはカメラ内で圧縮保存(劣化なし)されるので、ファイルサイズがDNG撮影の七割程度で済み、とても助かります。よくぞこの時期に間に合ってくれました、と言いたいところです。もし今回のアップデートが間に合わず、ペンタックスもDNGのサポートをK10Dで始めていなかったら、あとは市川ソフトラボラトリーのRAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio 3.0」くらいしか頼れるソフトは無かったところです。新型カメラへの対応は、アドビより市川の方が早いようです。
体育館やホールなどでは色調の違う人工照明が複雑に組み合わさり、カメラのオートホワイトバランス機能も十分働きにくいのが実情です。これにストロボ光も加わるので、RAW現像時に手動できめ細かくホワイトバランスを設定しなければ、すべての写真の色調を違和感なく揃えることは難しいのです。「Camera Raw 3.7」は私のパソコン(Windows XP、CPU=Celeron 2.4GHz、メモリ=1.0GB)でもそれほどストレスなく動作し、何百枚ものRAWファイルを処理するのに役立ってくれています。間もなく発売される予定のアドビ「Photoshop Lightroom 1.0(製品版)」もK10DのPEF形式をサポートする上、「Camera Raw 3.7」以降とは各種現像設定に互換性が保たれるそうなので期待しています。ベータ版と比べ、はたしてどれくらい快適に使えるでしょうか。
またさらに、これも間もなく発売される「Photoshop CS3」では、同時にアップデートされる「Camera Raw 4.0」の現像設定の種類も「Lightroom」並に充実するようなので、ワークフローの選択肢も今後ますます増えることになります。

報道やコマーシャルなど、大量部数の印刷を前提にした現場では撮影後のワークフローも分業体制が整っているところが多いようですが、学校の卒業アルバムのような小部数の用途では、とてもそこまで人件費をかけることはできません。撮影から後処理まで個人レベルで作業をこなすためにも、デジタルカメラとパソコンソフトとの連携は無視できない重要な要素なのです。

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